タブローソフトウェア【DATA】視覚的データ解析ツール企業のサブスクリプション・シフト

Tableau-Software
Tableau Software, Inc.【NYSE:DATA】
タブローソフトウェアは視覚的データ解析ツールのプロバイダ。

BI(ビジネスインテリジェンス)向けとして、誰もが使えるシンプルで見やすくデータを描画し、データを理解しインスピレーションや成果につなげることを支援することをコンセプトにしたソフトウェアを提供している。

タブローの面白いところはアニメーションスタジオ「ピクサー」創業メンバーだったカリフォルニア大学教授の発明をベースとしており、従来のBIと違い「グラフィックをビジネスに生かす」と分かりやすい可視化のためのビジュアライゼーションツールというアプローチで開発されている。

Pixarのアニメーションのレンダリングシステムの主任アーキテクトがタブローの技術のコア部分を発明しただけあって、データをグラフ化する際の描画速度が非常に早い

そしてそれはデータ可視化の方法や軸をその場でリアルタイムにシンプルに素早く変える(動画参照)ことができるタブローの使い勝手の良さという魅力を増すことにつながっている。

タブローソフトウェアはサブスクリプション・モデルへ転換中

Tableau-Software-Subscription-Transition-Begins

契約数は順調に伸びているが、SaaS企業の定番であるサブスクリプション・モデルへ事業を転換しているところだ。

SaaSとは?
SaaS: Software as a Service

インストールして使う従来と違い、クラウド上などで必要な機能をネット経由で必要な分だけサービスとして利用できる形態

これまで、セールスフォース、アドビ、サービスナウ、アトラシアン、ワークデイ、ゼンデスクなどの主要なSaaS企業を見てきたが、多くの企業が赤字...

サブスクリプション形態は、業績の見通しをクリアにし、資本配分のやりやすさや投資家としても見るべきKPIがシンプルになって良い。

Tableau-Software-Subscription-Pricing-Economics

顧客企業としても導入時のリスク・コストが軽減でき、永続的ライセンスのように固定資産として計上し毎年減価償却する必要もなく、あくまでサービス利用料として全額をその会計年度内における経費として処理できるサブスクリプションは魅力的だ。

そしてこのサブスクリプション・シフトは業績的にはどのような影響を与えるかというとすでにサブスクリプションへの転換をほぼ完全に成功させたアドビの例が参考になるだろう。

アドビ クリエイティブクラウド ARR推移
Source:Adobe IR サブスクリプションビジネスを成功に導いたアドビ

アドビシステムズ(Adobe Systems Inc)は1982年創業のフォトショップで有名なソフトウェア会社。 2005年に...

サブスクリプションへの移行でARR(Annual Recurring Revenue)=毎年継続的に発生する収益比率が高まるが、サブスクリプション・ライセンスは製品販売売上や永続ライセンスよりも安価なため全体としての売上高は一時的に圧迫される。その後うまくシフトできれば業績が安定化する。

もちろん全てのサブスクリプション移行がアドビのようにスムーズに成功するとは限らない。オートデスク(NASDAQ:ADSK)はアドビほど美しいサブスクリプションへの移行ができてはいないようだ(今のところ)。

ガートナー調査を見る限り競合他社として注目したいのはマイクロソフトと(以前のガートナーのBI調査に比べるとポジションがタブローに比べ後退した)Qlikで、Qlikは45000社にセルフサービスのデータの視覚化・アナリティクスツールを提供している。

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Source: ガートナー調査によるBusiness Intelligence and Analytics Platformプレイヤー格付け

BI市場においてタブローはシンプルで低価格で、中小企業でも導入できるため強力なプレイヤーだ。

ただ、競合としてMicrosoft Power BIはかなり手強い強敵ではある。

タブローを率いるCEOは元AWSの中の人

タブローは1997年にスタンフォード大学の研究室から始まり、その研究・発明を元に2003年に創業したテック企業だ。

アニメーションスタジオ「Pixar」の頭脳(レンダリングシステム RenderManの主任アーキテクト)であり創業メンバーだったカリフォルニア大学のPat Hanrahan教授(タブロー共同設立者、主任研究員)が、同研究室のChris Stolte(タブロー共同設立者でテクニカルアドバイザー)と共にVizQL(Visual Query Language)と呼ばれるデータベース視覚化言語を発明し、これがタブローのベースとなる。

そして、2016年からタブローのCEOを務めるAdam Selipskyは、AWS(Amazon Web Services)で11年勤め営業・マーケティング部門でシニアエグゼクティブだった。

AWSといえば世界トップシェアで現在のAmazonで最も収益性が高い強力な柱となっている重要なクラウド事業だ。そのAWSの重要な人材が他の会社に移籍したというニュースが記憶にあったがタブローだったとは。

タブローソフトウェアの業績推移グラフ

(2017年はTTM)

赤字だが営業キャッシュフロー・FCF共に伸びており、売上も伸びていた(サブスクリプション移行で一時的に鈍化)、あとはサブスクリプション移行の内容・進捗次第だろうか。

Tableau-Software-Outlook

タブローソフトウェアの株価

タブローソフトウェアの決算を時系列でまとめる

Tableau Software ’18 Q2決算> 2018/8/2
EPS $0.00 予想 +$0.11
売上 $243.56M (+14.4% Y/Y) 予想 +$7.56M
サブスクリプションARR $291.3M (+181% Y/Y)

Q3ガイダンス
売上 $236M~$246M (コンセンサス: $240.66M)

FY18ガイダンス
売上 $965M to $985M (コンセンサス: $974.76)

Tableau Software ’18 Q1決算> 2018/5/2
EPS -$0.19 予想 -$0.01
売上 $224.04M (+12.1% Y/Y) 予想 +$6.05M
サブスクリプションARR $237.5 (+230% Y/Y)

Tableau Software ’17 Q4決算> 2018/2/1
EPS $0.12 予想 +$0.09
売上 $249.4M (-0.5% Y/Y) 予想 +$8.72M

売上がフラット化しているのはサブスクリプション移行の影響でARRの伸びを見る限りはポジティブな決算だった。