アップル社は1976年創立、1980年に上場以来、1985年にスティーブ・ジョブズ追放、1997年にジョブズ復帰など紆余曲折の末、世界一の時価総額の企業にまで登りつめた。
最新の業績や決算についてはApple決算のまとめ記事で解説しています。
アップル株価チャート
iPhone、iPad、Mac、iPod、Apple TV、Apple WatchとiOS、OS X、iCloud、iTunes Store、そしてiCarも参入か?等と言われていたくらいだったが、近年は主にiPhoneの売上高の拡大(一時期は全体の売上の70%を占めるほど)がAppleを大きく成長させてきた。
iPhoneX登場、歴代iPhoneとAppleの株価推移 pic.twitter.com/gaSFcIkuAe
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年9月12日
また、普及率の高いスマートフォンであるiPhoneに提供される他社アプリの課金部分を抑えているため、こちらも伸びてきた手数料収入となっている。
Appleの保有するキャッシュがどんどん積み上がっている…
iPhoneなどの販売以外に、サービスの売上が前年比22%増なのが良い。チャリンチャリンビジネスをしっかり伸ばしている。 pic.twitter.com/vXvNoe3Wdr
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年8月1日
iPhoneとウェアラブルであるApple Watchのエコシステムと、決済手段であるApple Payからの安定的に手数料収入が入ってくるビジネス構造を伸ばせるかに注目。
アップルペイに参画している金融機関・カード発行会社からは小売店などでユーザーがApple Payを使った決済処理1件につき0.15%の手数料をアップルが受け取るが、競合するAndroid Payは手数料を一切受け取らないプラットホーム。
また、Appleの積み上がるキャッシュ(債券)にも注目が集まっている。
Appleは世界最大級債券ファンドでもある(2430億ドル)
米国債を515億ドルを保有し、トルコやノルウェーを超える世界で24位の米国債の保有者(国家・企業)
社債保有しまくり…https://t.co/HeTIm4JHBlhttps://t.co/uAGa0Zk6el pic.twitter.com/Eaq8DU5xHV
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これは、グローバル企業の節税スキーム「ダブルアイリッシュ」「ダッチサンドイッチ」を活用したものと見られており
米国債保有高2トップは日中だが3位にアイルランドがはいった理由は、低い法人税を理由に集まったAppleなどのグローバル企業が同国の子会社にプールしているキャッシュを米国債などで運用しているから。
ダブル・アイリッシュ/節税手法は廃止されたものの既利用企業は2020年まで使える。 pic.twitter.com/dd0h4dAIDo
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年9月16日
レパトリで恩恵を受けると見られているがEUから「脱税」として追求されている。
米国の税制改革でレパトリ減税の可能性もあるが、EUのAppleの節税策に対する課税の動きも加速している。米欧のAppleの利益の課税の綱引き
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著名投資家であるウォーレン・バフェットがAppleに投資したことも話題となった。
ウォーレン・バフェット(のバークシャー)が保有するApple株式数推移
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— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年8月1日
Appleの売上における中国の存在感は大きいが、中国ローカル企業の成長も著しく、Appleとの競争が激化している。
ファーウェイ(HUAWEI)がAppleを抜いて世界第2位のスマホメーカーになってた。
ファーウェイどころかOppoやVivoも伸びてる。
アップルはサービス収入爆増してるプラットフォーマーだから利益の質が違うが。Source: https://t.co/YzRCPzYulh pic.twitter.com/DzoKPr7sji
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) 2017年9月15日
アップル業績推移グラフ
ダウ採用が狙いと言われた株式分割翌年2015年3月19日に晴れてNYダウ平均株価指数組み入れ(AT&Tが代わりにはずされた)された。また、アップルは配当を出し始め、潤沢な手元現金で自社株買いによる株主還元も積極的。
関連企業
グーグル(GOOGL)
―Google Inc
マイクロソフト(MSFT)
―Microsoft Corporation
アマゾン(AMZN)
―Amazon.com, Inc.
サムスン電子
―Samsung Electronics Co., Ltd.
みんなの投資分析とコメント
一時期はロシアの上場企業全ての時価総額を上回る時価総額にAAPLがなったといわれていましたね。
今はロシアETFは上げはじめたのでもう違うのかな。
Apple Payに関しては一筋縄ではいかないのではないでしょうか?
ウォルマートなどの小売が対抗馬として作った決済プラットホームのCurrentC(カレンシー)やSamsung Pay(これは失敗しそう…)など最終的にはAppleが覇権をにぎるでしょうがまだ余談を許しません。
たとえばApple WatchがコケてしまったらApple Payの強みは多少そがれてしまうかも。
Apple Payのセキュリティですが、それ自体は強固ではあるものの、カード情報をデバイスに登録する際に銀行やカード会社が行う認証手続きに各社バラつきがあってそこを狙われている模様。各社はできるだけ登録してもらおうとするので認証ステップを簡単にしがちですからね。
退役軍人手当の受給など米国政府のサービスでモバイル決済システム「Apple Pay」を使えるようにするなど政府が採用するほど本体のセキュリティには不安は無さそうですが。
韓国サムスンのギャラクシーは競合でしたが、どちらかというと中国のシャオミなどの低価格スマホがシェアをとってきたことがサムスンにダメージですね。
安さならシャオミにするし、ブランド志向ならiPhoneにしますから。
実際に中国はブランド志向のユーザーが多くて、iPhone6は中国で相当売れていますし、価格と違った価値を提供できている限りアップルの優位性は崩れそうにありませんね。
自社株買いはしていますがそれでも内部留保がとてつもなくあるので、さらなる自社株買いが期待できますね。
手元現金は約1800億ドルくらいあるようですね。Googleだったらやたらめったら買収してそうですが、Appleは堅実ですね。
AAPL Q1(10-12月)決算 ドル高が売上高を約4%目減りさせるも…
粗利益率: 39.9%(前年同期37.9%) スマホ販売単価が上がったことによる
▼製品別
iPhoneの販売台数: 7447万台(46%増) iPhone6の年末商戦が寄与
iPadの販売台数: 2142万台(18%減)
Macの販売台数: 552万台(14%増) Retina化されたiMacが寄与
Apple Payをサポートするカード銀行は発表当時の500行から750行まで増加し、現時点で非接触決済の2/3以上のシェアを確保している。
▼大陸別売上高
中国の売上高161億ドル(70%増)
中国のスマホ販売でXiaomi(シャオミ)やサムスンではなくAppleが首位になり世界売上高の2割以上を中国事業が占めるまでに。iPhone6が売れまくった。中国直営店は現在の20店舗から2016年半ばまでに40店舗までオープンさせる予定。
米大陸売上高: 前年同期比23%増
欧州売上高: 前年同期比20%増
iPhoneへの依存度が高いことが気になりますがApple Payというキャッシュマシーンも伸びていますし、Apple Watchの予約状況も予想よりも好調のようですし、スマホ販売単価が約687ドル(前年同期比で約50ドル上昇)と、単価を上げることに成功しているのが大きい。ブランド力がさらに高まっていることで、高価格帯のApple Watchの販売にも寄与してくれそうです。
また、太陽光発電モジュール製造大手ファースト・ソーラーと8億4800万ドルもの長期電力購入契約をしたことでアップル社は25年間にわたり130メガワットの電力供給を受けることが決定しています。
米国では太陽光発電プロジェクトの建設費用に対する現在30%の税額控除が2017年に10%に引き下げが予定されていることからAppleはいいタイミングで契約できたと思います。
結局「価格決定力がある」というのがブランドであって、値上げできない製品なんてそれはブランドじゃなくてただの商標ですね。飛べない商標はただの商標だ。
アップルが最近値上げした国:
日本、オーストラリア、カナダ、ロシア
つまり、現時点で欧州主要国では値上げしていない(これからするのかも?)のでユーロ安の分かなり利益を失っていますよね。これ以上のドル高はさすがのアップルでも厳しいのでは。
それでも高価格帯の製品が売れたことによって販売単価が上昇しましたし、まだ値上げも許容されそうなブランド力があり、単価上昇したにも関わらず市場シェアがスマートフォン全出荷台数に占めるiPhoneの割合が約20%にまでシェアを回復させる無双っぷりですからドル高は杞憂なのかも。
アップルウォッチの予約状況は好調のようですが、品薄商法なのか本当にとてつもない需要があるのか読めませんね。
いずれにせよ売上高の6割以上を占めると思われるiPhoneの販売動向が最重要な指標であって、ウォッチの売り上げはせいぜい2%いけばいいほうではと予想しますが。
それでも借り入れ金利が低いままなので、その巨額の現金をどう使うかによって株価が暴騰する余地もあるので機関投資家からすると持たざるリスクもあるのがAAPLかな。
2Qはドル高の為替差損を吹き飛ばす好決算でしたね。
決算後の今日の株価は寄りから3%強の幅まで出尽くし売りで売られていますねぇ
アップルウォッチも実機みましたが想像以上だった人も多いのでは?改良された「Apple Watch2」の登場を待って買おうと思います。
AAPL 2015年1-3月期 Q2決算
純利益: 1株当たり2.33ドル
前年同期: 1.66ドル
市場予想: 2.16ドル
売上高: 580億ドル
前年同期: 24.4%
市場予想: 561億ドル
粗利益率: 40.8%
前年同期: 39.3%
iPhoneの販売台数: 6117万台(40%増) 売上高55%増
App Storeの売上高も過去最高。
iPadの販売台数: 1262万台(23%減)
売上高29%減と販売台数が4期連続減少
Macの販売台数: 456万台(10%増) 売上高2%増
こちらも2Qでは過去最高。
3Q(4-6月期)のガイダンス(見通し):
売上高: 460億~480億ドル(市場予想470.9億ドル)
粗利益率(グロスマージン): 38.5~39.5%(市場予想39.2%)
株主還元プログラム
自社株買いの枠を1400億ドルに拡大(前年発表は900億ドル)
配当金を1株当たり0.52ドルに引き上げ(これまで0.47ドル)
Apple Music(音楽ストリーミングサービス)は出足は好調ですね。
ユーザー数1500万人のうち有料会員は650万人であとは3カ月の無料トライアル期間中の850万人。
一方、競合の音楽ストリーミングサービスのスポティファイ(欧州)は現在2000万人の有料会員数でいい勝負です。
無料期間終了に気づかないで月額決済処理されてるユーザーがどの程度いるかが気になるものの、それでも思ったよりは順調なのでは?
もちろんiTunesの売上高の1%にも満たない規模なので無視できるレベルの売上高ですが、それでもこれはけっこう大きいですよ。というのも、CarPlayという車載領域にアップルは進出していて、車の中でApple Musicやカーナビなどで足がかりを得ることができるわけですから。この車載部分の縄張り争いこそ重要な戦いなのです。
アップルの決算 Q4
EPS $1.96 予想 $1.88
売上高 $51.5B 予想 $51.11B(前年同期比22%増)
Q4で
iPhoneの売上↑: 4805万台 (+1%)
予想4880万台
iPadの売上↓ 988万台(-10%)
予想1010万台
Macの売上↑ 571万台 (+19%)
予想560万台
以上は四捨五入
売上総利益率39.9% 市場予想(38.5%~39.5%)
来期ガイダンス
Q1売上高ガイダンス:765億ドル 予想769.5億ドル
Q1売上総利益率ガイダンス:39.5% 予想39.8%
株価暴落での中国の需要の減速が想像したよりも良かった(とはいえ前期比-5%と若干減速)ように思う。しかしそれはナイキの決算でもわかっていたことだったから株価はどう反応するか分からないですね。iPhoneの販売は予想以下ではあるし。
いまだに巨額のキャッシュをかかえていますねアップルは。