業務効率化SaaS企業 ServiceNow【NYSE:NOW】決算の定点観測

ServiceNow-Cohorts

ServiceNow【NYSE:NOW】の最新の決算およびビジネス状況の定点観測。

ServiceNowはITサービス管理(ITSM)・ITオペレーション管理など企業のワークフローを網羅的に効率化する、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するSaaS企業。

以前書いた記事も参考にしてください。

ServiceNow, Inc.【NYSE:NOW】 サービスナウはサービスマネジメントソリューションを単一のクラウドプラットフォーム上...

以下、ServiceNowの決算データの最新のまとめと、ServiceNowのビジネスの定点観測を四半期決算の度に追記していく。

ServiceNowの業績推移と最新データ

ServiceNow_ACV-G2K

すでにG2K(グローバル2000企業)の約半分を顧客としているが、G2K企業以外のコア顧客も増えている。

これだけのG2K企業を顧客として企業のワークフローという重要な領域に入り込んでいることはSaaSの中でもSalesforceなどと並んで強いポジションにある。

セールスフォースからも競合ベンチマークに浮上。

ServiceNow-1M-ACV-Customer-Mix

それにより売上高ミックスが分散され、契約ロストのリスクが分散されてきている。

ServiceNow-Enterprise-Customer-Penetration

顧客企業はたとえばこのような大企業。

ServiceNow-Customers

おおよそ前回の記事で解説しているがServiceNowはITシステムとITサービスの管理・運用ソフトウェア(SaaS)が中核事業で、そこからセキュリティ、カスタマーサービス、人材管理サービス、サードパーティ・プラットフォーム(アドオン)と派生させていっている。

ServiceNow-Platform

中核機能と再利用可能なコンポーネントをまとめ、データサイロを抑止する単一データモデルで、企業全体の業務プロセスを自動化する単一プラットフォーム「Now Platform」はワークフローの網羅的自動化のために強力。

コア事業からのLand and Expandでクロスセルがうまくいっている。

ServiceNow-Emerging-Products

大企業から引き合いが強い。

ServiceNow-1M-Customers

Recurring Marginも高い。

ServiceNow-Rule-of-40

売上成長率+フリーキャッシュフローマージン、これは特にSaaS企業が好んでベンチマークしている成長と利益のバランス(成長ステージごとで違いがある)を見る40%ルールが意識されている。

これまで、セールスフォース、アドビ、サービスナウ、アトラシアン、ワークデイ、ゼンデスクなどの主要なSaaS企業を見てきたが、多くの企業が赤字...

<ServiceNowの株価>

中央銀行のバランスシートの正常化がおこっている中で、金利も上昇コンセンサスが強く、テック株がいまセンシティブなシチュエーションにあり、市場から高く評価されているServiceNowのような企業は優良企業ではあるがマルチプル・コントラクションに警戒する必要はある。

ServiceNowの決算を時系列でまとめる

ServiceNow ’19 Q1決算> 2019/4/24
EPS(Non-GAAP) $0.67 予想 +$0.13
売上 $788.9M (+34% Y/Y) 予想 +$30.9M

✓ 大企業のデジタル転換トレンドど真ん中で良いポジション取りをしているデジタルワークフロー・プラットフォーム

✓ 既存顧客からのACV(年間契約額)がどんどん拡大

✓ 高い成長率と高いFCFマージンを維持

ServiceNow ’18 Q4決算> 2019/1/30
EPS(Non-GAAP) $0.77 予想 +$0.14
売上(Non‑GAAP) $723.7M 予想 +$6.02M

ServiceNow ’18 Q3決算> 2018/10/24
EPS $0.68 予想 +$0.09
売上 $676.2M (+37% Y/Y) 予想 +$16.8M
営業利益率 23.9% 予想 +2.5%

S&Mをしぼって営業利益率が上昇。GAAPベースでもプラス圏へ。

<Q4ガイダンス>
サブスクリプション売上高 $664M~$669M (コンセンサス: $669.7M)
サブスク請求額 $906M~$911M

<FT2018ガイダンス上方修正>
サブスクリプション売上高 $2.384B~$2.389B (前回アウトルック: $2.372B~$2.382B)

まだまだ売上高において米国比率が高いService Nowだが日本ではNTTコミュニケーションズと協業し国内初となるデータセンターを開設するなどの動きがある。

以上、大企業の業務効率化SaaSベンダーであるServiceNow【NYSE:NOW】の決算と業績まとめでした。次回決算の時にまた更新するので、来てね!