Lamb Weston Holdings, Inc.【NYSE:LW】
ラムウェストンは米国最大の冷凍フライドポテトメーカーで、世界シェア2位の冷凍ポテトメーカー。
日本のポテト輸入の大半が米国産(主に冷凍ポテト)。ラムウェストン製のポテトを居酒屋やファミレス、コンビニ、ファストフードなどですでに気づかないうちに食べているかもしれない。
冷凍ポテト界のイノベーターだったラムウェストン
1950年に米国北部の小さな農場からはじまったラムウェストンは主にアメリカの自社所有農園と契約農家でじゃがいもを栽培、現在は世界100カ国のレストランや小売店に冷凍ポテトを中心とした冷凍野菜を提供。
2016年11月9日に米国食品企業コナグラ・フーズ(現コナグラ・ブランズ)の冷凍ポテト部門のスピンオフで独立。
このウォーターガンナイフという、ポテトをところてんのように水流の力で押し出してカットする網目状のカッター技術を創業者のギルバート・ラムが1960年に発明し、スライスポテトの大量生産ができるようになり業界のスタンダードとなった。
冷凍フライドポテトって1960年に開発されたところてんみたいな水流によるカット(ウォーターガンナイフ)で今も作られているのか。https://t.co/Fh8VC85NpD pic.twitter.com/SMXzQ8Tt10
— 気になる企業調べる🐘 (@kininaruzou) October 3, 2018
ラムウェストンはこういったスライス技術が業界で一番進んでいると自負しており(業務用ポテト業界で最新鋭の設備だという)、製品の種類も豊富。
ベーシックフライドポテトから、味付き、衣付きポテトまで。
また、テイクアウトやドライブスルー向けに1992年に開発された、透明に近い薄い衣(ポテトスターチ)でコーティングすることにより冷めにくく長時間サクサクが維持される特許製法で作られたステルスフライも注目。
その他、1997年に開発した従来より揚げ時間を約半分に短縮可能なG7(ジェネレーション7)フライ、最高級のじゃがいもを使用した手作り感のあるLWプライベートリザーブまで幅広いラインナップ。
スイートシングス(アメリカ産さつまいものフライドポテト)、ハッシュドポテト、マッシュポテト、ベイクドポテト、スイートコーン、ダイスキャロット、グリーンピース、ミックスベジタブルなどの冷凍野菜も取り扱う。
北米最大規模の自社所有農園と契約栽培農園で、原料となるじゃがいも(全てNon-GMO)を栽培。製造工場は15拠点。
ラムウェストンの業績推移と最新データ
ラムウェストン決算まとめ
・売上高の11%=マクドナルドのフライドポテト
・世界で急成長のフードデリバリー産業向けの宅配専用フライドポテト「クリスピー・オン・デリバリー」が好調なスタート
・サプライチェーン効率化や値上げでマージンが改善傾向https://t.co/fKG7CBLav9— 米国株 決算マン (@KessanMan) 2019年4月3日
詳しくは筆者のnote「月刊 米国株決算祭り」のラムウェストン決算まとめ記事で業績データを解説している。
グローバル・セグメントは世界のレストランチェーン(北米のTOP100レストランチェーンを含む)やフードサービス事業者、流通・小売業者向けにラムウェストンブランドおよびプライベートブランドの冷凍フライドポテトを中心に提供。
フードサービス・セグメントは、北米のレストランチェーン(北米のTOP100レストランチェーン以外)に冷凍フライドポテトを中心に提供。
リテール・セグメントは主にスーパーやホールセールなどの小売企業向けに自社ブランドとプライベートブランドの冷凍フライドポテトを中心に提供。
配当性向は調整後EPSの25~35%程度をターゲットとしている。
フライドポテトといえば、マクドナルドのフライドポテトの主要サプライヤーはラムウェストンと競合のマッケイン・フーズ(McCain Foods/カナダ)
ラムウェストンの売上高の約11%をマクドナルドが占めている点に注意だ。
最大の競合であるマッケイン・フーズ以外の競合はJ.R. Simplot Company、Cavendish Farms、クラフト・ハインツ(Kraft Heinz/競合か?と思うが同社が競合に挙げている)。
コナグラから独立したことで、買収によるシェア拡大戦略は取りやすくなるだろう。
コナグラ傘下の時点でも買収はぼちぼちと行っていた。たとえば2014年に中国のジャガイモ加工会社のTaiMei Potato(太美薯業有限公司)を買収。
欧州・中東アフリカ・ブラジルにおいては欧州合弁会社「Lamb Weston / Meijer」にて事業を行っている。
ラムウェストン・ホールディングスの株価
スピンオフした企業は株価パフォーマンスが良い傾向にあるようだが
スピンオフ(企業の特定部門を分離し別企業として新設)した企業の株価パフォーマンスが良い。
最近だとハネウェルが自動車部品や住宅設備事業を、そしてファイザーがコンシューマー・ヘルスケア事業の売却かスピンオフを予定。
Source: https://t.co/Y4g9PEO1BW pic.twitter.com/WzmwNaGWcj
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) October 22, 2017
ほとんどの食品企業の株価が下落していく中で、ラムウェストンもコナグラから分離して以降株高が続いていた。
ラムウェストンの決算を時系列でまとめる
<Lamb Weston Holdings ’19 Q3決算> 2019/4/2
EPS(Non-GAAP) $0.95 予想 +$0.12
売上 $926.8M (+7.3% Y/Y) 予想 +$28.34M
<Lamb Weston Holdings ’19 Q2決算> 2019/1/4
EPS $0.80 予想 +$0.08
売上 $911.4M (+10.5% Y/Y) 予想 +$14.32M
<Lamb Weston Holdings ’19 Q1決算> 2018/10/2
EPS $0.73 予想 +$0.05
売上 $914.9M (+11.9% Y/Y) 予想 +$34.8M
北米のじゃがいもの収穫は品質とともに平年並みだが、欧州が猛暑と干ばつの影響をうけているという。