創業者が経営している企業の株価上昇率が高い。(via Bain)
創業者が経営している企業の株価上昇率が高い。 pic.twitter.com/KnwiRUoKoT
— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) November 19, 2017
これは「Skin in the game」…つまり、ちゃんと経営しないと自分(一族)の財布が痛む、長期的に会社にロックされている人たちが支配しているから、株主の圧力に屈せずに短期的には痛みを伴う取り組みを厭わず長期的ビジョンに基づいた経営ができている企業が多いからかもしれない。
マッキンゼーの調査によると長期的な計画でマネジメントされている企業の業績は最終的には優れているらしい。
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— アメリカ部/米国株投資アンテナ (@america_kabu) May 9, 2018
実際にそういった「Skin in the game」な企業はどこなのか?ということで
CREDIT SUISSE(クレディ・スイス)が「The CS Family 1000 in 2018」というファミリーカンパニーを継続的に分析した有用な資料を提供しているので紹介したい。
資料によるとファミリービジネスの企業は、非ファミリービジネスの企業よりも長期的な企業の質の向上に重点を置いているデータが示されたという。
創業者/一族の議決権および株式保有20%以上
以下のグラフやデータはそのCS Family 1000 in 2018の資料で構成されている。
ファミリーカンパニーは相対的に強い企業群
CS Family 1000ではAPxJ(日本を除くアジア・パシフィック企業)も多く紹介されている。
資料にあるように歴史的にファミリー企業の株価はおよそ5%以上のプレミアムのついたバリュエーションで取引されている。
さて、CS Family 1000 in 2018の時価総額上位50社をまずグラフ化してみる。
多くの人がパッと見て分かるのはブランド、生活必需品、テック企業だろうか。
Amazonがないじゃないか、と思うかもしれないがAmazon創業者のジェフ・ベゾスは株式を売却しはじめており持ち株比率は20%をきっている。
これは以下のデータから。歴史の古い順などもあって興味深い。
このデータの最も収益性の高いファミリービジネス50社を時価総額順でソートしたのが以下のグラフ。
長くなるのでそれぞれの企業についてはまた別に紹介したい。
今回紹介したクレディ・スイスによるレポート「CS Family 1000 in 2018」は昨年からリリースが開始され今年で2年目、来年も変化があり次第変動をウォッチしていく。
こういったデータはスナップショットで見るより定点観測に意味があるので。
<追記: 興味深い補足情報をいただいたので紹介。>
創業者がその親族を後継者に選びがちな傾向で、その場合、外部招聘と比べて、プロ経営者としての能力を欠く可能性があり、企業価値が低下することを示す研究もあるようだ。
Bennedsen et al.[2006], Villalonga and Amit[2006], Perez-Gonzalez[2006], Bloom and Van Reenen[2007]
同族企業は、ガバナンスがオーナーから独立して機能していないところは色々不正会計やらかしているというのは確かにサンプルとしては目立つ。
同族企業は企業の存続を重視するあまり成長性を欠いているところもありますし、同族承継企業と創業者自身が経営する企業と分けて考えた方が良さそうだ。