アグリウム(AGU)- アグリビジネス多角化する肥料会社

アグリウム製品生産マップ

アグリウム(Agrium Inc.)は北米を拠点とした農業・産業向けのチッソ・カリ・リン酸等の肥料から、種子や栄養素製品・防虫など農業関連製品のグローバルな生産・販売会社を行う多角化志向の肥料会社(本社カナダ)。

2018年追記:
AGU(アグリウム)は同業POT(ポタッシュ・コープ・オブ・サスカチュワン)と合併し、合併後は世界最大の上場肥料会社であるニュートリエン(NYSE:NTR)となった。

アグリウム ⇒ ニュートリエン株価チャート

卸売事業(主にチッソ)

アグリウムの化学肥料生産
チッソを筆頭に、リンとカリ、そして栄養素製品等。

農作物の収穫量を増加させることで世界の胃袋を満たしてきた肥料であるが、化学肥料のカリウムとリン酸とチッソという三大成分のうちカリウム...

小売事業(肥料と作物保護事業が中核)

アグリウムのリテール
作物保護(害虫駆除等)事業を中核に、肥料販売、種子事業

アグリウムの業績推移グラフ

アグリウムの強み

北米に生産設備が配置されているため、安価な天然ガスへのアクセス(チッソの生産)と北米の需要に対する輸送コスト面の優位性がある。

カリ生産に関しては北米同業のポタッシュコープとモザイクと共に合弁販売網を構築(上述のカリ・リン肥料業界特集ページ参照)しているためグローバルな販路を安定的に確保できている。

ポタッシュやモザイクと違い、種子や栄養素製品や防虫事業などの多角化を行っている。栄養素製品も手掛ける穀物メジャーであるアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドや種子と農薬のモンサントと肥料大手らとの中間的な存在といったところか。

2010年にはCFインダストリーズ・ホールディングスの買収に失敗すると、同年オーストラリアの穀物商社AWB(元国営小麦公社)を10億7000万ドルで買収(豪穀物大手グレインコープの買収提案に競り勝つ)し、オーストラリアの小麦輸出の約3割を握るが、同年AWBの商品管理事業を穀物メジャーである米カーギルに売却している。

同業肥料生産大手とアグリビジネス関連銘柄

ポタッシュコープ(POT)
―Potash Corporation of Saskatchewan Inc.
―ポタッシュ・コーポレーション・オブ・サスカチュワン
―カナダの肥料企業(世界最大肥料企業)
―2016年、アグリウムと対等合併に合意
モザイク(MOS)
―Mosaic Co
―アメリカの肥料企業
CFインダストリーズ・ホールディングス(CF)
―CF Industries Holdings, Inc.
―アメリカの窒素肥料会社
―モザイクはCFIからリン酸事業を買収した。
ウラルカリ
―Uralkali
―ロシアのカリウム生産大手
―中国政府系ファンドが12.5%出資
ベラルーシカリ
―Belaruskali
―ベラルーシ国営のカリウム生産企業
モンサント(MON)
―Monsanto Company
―GMO種子と農薬
デュポン(DD)
―E I Du Pont De Nemours And Co
―アグリビジネスの強化中。種子・農薬等
シンジェンタ(SYT)
―Syngenta AG
―スイスの種子・農薬メーカー
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
―Archer Daniels Midland Company
―米穀物メジャー

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