スクエア【SQ】オンラインもオフラインも統合できる決済サービス・プラットフォーム

Square Inc【NYSE:SQ】
米国のモバイル決済サービス大手スクエアが伸びている。

Twitter共同創業者でCEOのジャック・ドーシーが創業したスクエアだが、スクエアのCEOとの2社のCEO兼任という珍しい状態。

スクエアはスマートフォンやタブレットにスクエアの小型カードリーダーであるSquare Reader(スクエアリーダー)を差し込むだけで、クレジットカード決済端末としてどこでも利用できることが売り。

Square Reader

現在はさらに、スマホもタブレットも必要としないオールインワンハードウェア製品であるSquare Register(スクエアレジスター)もラインナップに加わっている。

スクエアレジスターは消費者用カードリーダー搭載の決済用ディスプレイと・店舗の決済管理端末のセットでさらに顧客体験を洗練させている。

Square Register

スクエアの強みはOffline-Online統合決済プラットフォーム

小売店やカフェ・美容院などにとってPOS(販売時点情報管理)は高額でイニシャルコストがかさむのだが、スクエアは安価なタブレットだけあればそれをクレジットカード決済端末にできるmPOSの仕組みで顧客を獲得していった。

スクエアのSquare POSレジアプリは無料でPOSを導入できるハードルの低さが特徴で、決済、電子レシート、保留会計、在庫管理、従業員の勤怠管理、売上レポート・分析など必要な機能はだいたい揃っている。

その機能だけではなく、さらに幅広い現場でカスタムできるようにオープンプラットフォーム戦略をとっており、例えば中堅・中小企業向けの会計管理からCRM、サプライチェーン管理、発注・購買管理、顧客管理・人事管理などの主要な業務プロセスの合理化・効率化を支援する一体型の統合業務パッケージ(ERPソリューション)である「SAP Business One」(ドイツのソフトウェア大手SAP社)や米国のクラウド会計大手Intuitの会計管理のQuickbooksのような他社のシステムとSquareの製品・POS(販売時点情報管理)・データを統合することが可能

スクエア加盟店はECサイトのオンライン決済でSquareを利用できるEコマースAPIを使うことでECでのスクエア決済が可能になっているため、オフラインとオンラインの売上管理を統合でき、SquareのAPIと他社サービスの接続で、例えばリアルタイムでの商品価格変更などが容易になるなど、オンラインと実店舗で在庫を共有している場合の商品管理のシームレス化に役立っている。

もはやオンラインで注文はいったのに店舗で売れて在庫がない、なんてことにはならないのだ。

この動きは決済大手PayPal(ペイパルは手数料は安いがペイパルの画面に画面遷移することや顧客にペイパルアカウントが必要だったりという使い勝手の悪さがある)や同様にコード数行でオンライン決済が可能になるAPIを提供するStripe(ストライプ)などとの衝突でもあるが、POSとの統合的ソリューション・エコシステムを強化しているスクエアにはオフライン・オンラインの商品統合的管理というスクエアの強みがある。

その他、スクエアのオープンプラットフォーム戦略による企業のカスタムPOSシステムとの連携や幅広いソリューションとの接続は、データを統合することで顧客の経営効率がさらに向上する、消費者との”決済という接触ポイント”をおさえているスクエアならではのエコシステムを形成している。

大規模企業にも導入が少しずつ進んではいるが主要顧客は個人事業主や中小企業で、個人事業主・中小企業向け少額貸し付けサービス「スクエア・キャピタル」や、オープンしたてで販売実績のない店舗はクレジットカード加盟店検査に通りやすくするように間にはいったり、オンライン決済での売上すら最短翌日に振り込まれるなど顧客視点でサービスを拡大している。

スクエアの業績推移と決算

square2017q3

売上成長率+フリーキャッシュフローマージンに注目したい。

また、決済以外の事業の比率が徐々に上昇している。

スクエアの株価

株価のボラティリティが激しいのは注意。

2018年4月27日にSquareはWeb製作サービス+ネットショップ構築サービスのWeeblyを買収。

SquareはEC構築サービスにパートナーとしてWeeblyとWixがいたが、中立的立場を変えるつもりはないという。決済も同様だ。

ECサイト構築・運営サービス+POSレジというパターンだと競合はShopifyということになる。

ネットショップ開業で最もシェアの高いShopifyも同様に実店舗向けPOSサービスを始めてオムニチャネル展開している。

ECサイトは決済プロバイダーにStripeやPayPalなどを使うことが多いが、スクエアもオンライン決済用APIを提供しており、実店舗がECサイトも運営している場合に在庫管理やPOS、決済を一元管理できるニーズを満たすことができる。

融資+オンライン決済+オフライン決済+各種サービスとスタートアップや小規模事業者向けのパートナーとしてエンドポイントをおさえてきている。

スクエアは2014年に食品デリバリーのCaviar(キャビア)を買収して急成長しているレストラン宅配サービス業界で一部エリア(サンフランシスコやフィラデルフィア)で伸びているが、さらに補完的に企業向けケータリングサービスのZestyを買収している。

スクエアの決算を時系列でまとめる

Square ’18 Q1決算> 2018/5/2
EPS $0.06 予想 +$0.01
売上 $307M (+50.7% Y/Y) 予想 +$13.93M

Square ’17 Q4決算> 2018/2/27
EPS $0.08 予想 +$0.01
売上 $616M (+36.3% Y/Y) 予想 +$14.37M

安定的コホートで、既存顧客の満足度が高いことが示されている。

Square-Cohort

EPSが2018年度は$0.43~$0.47と前年比でしっかり増える見込みのガイダンスを提示するもコンセンサス予想は$0.45だった。

’18 Q1 EPSガイダンスは$0.03~$0.05とコンセンサス予想の$0.08を下回る。

Square-2018guidance

Square ’17 Q3決算> 2017/11/8
調整後EPS $0.07 予想 +$0.02
(GAAP EPS -$0.04 予想 +$0.02)
売上 $257.1M (+44.6% Y/Y) 予想 +$12.15M

ユーザー同士がメールやアプリ間で送金しあえるスクエアキャッシュというアプリで、ビットコインの売買や送金ができるようになった。

スクエアキャッシュがP2P送金(個人間送金)においてPaypal傘下のVemmoにシェアで追いつくためにも暗号通貨のネットワーク効果を取り入れることは興味深い動きだ。

もともとスクエアのシステムはクライアント企業がビットコインの支払いも受付可能にできるようになっていることから、ビットコインがLN(ライトニングネットワーク)やアトミックスワップで決済としての利便性が増した場合は良いポジションにいるかもしれない。

最もSquareの競合であるとみられるStripeも2014年頃からビットコインに対応していたが、打ち切っている一方で、Square創業者でありCEOのジャック・ドーシーはBitcoinは唯一の決済通貨になるだろうとかなり強気のコメントをしている。

ユーザー間送金と店舗とユーザーの物理的接点も抑え、POSビッグデータを抑え、スクエア・キャピタルという事業者向け融資プログラムも展開しているスクエアはなかなか戦略的にボトムアップでユーザーの需要をどんどん取り入れて進化しているのが面白い。

2017年9月頃からFinancial App部門で1位となったSquareの個人間送金アプリ「Cash」はPayPalや話題のVenmo(PayPal傘下)よりもアプリ普及の勢いがある。

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みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    もう1つのSquareの強みは「POSデータ」という喉から手が出るほど欲しがられるビッグデータを持っていることだと思う。