美容院やジムの予約が簡単にできるReserve with GoogleでわかるGoogle Mapエコシステム

Googleは「モバイルを制するためにはGoogle Mapは戦略の要の1つである」としている。
Google Mapをプラットフォーム化し、サードパーティ(Google以外の複数企業)に開放しエコシステムを形成しはじめている。

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予約をシンプルにできるようにするReserve with Google第二弾は美容院の予約

アメリカで始まったReserve with GoogleというGoogleの予約サービスで美容院も予約可能になった。

すでにGoogleリザーブはフィットネスの予約も全米で始めており、美容カテゴリの予約サービスは第二弾。

まだアメリカのみでの展開ではあるが、将来的には日本のリクルートのホットペッパービューティーには痛手となりそうだなと当初は予想した。

しかし、ホットペッパーは営業力で美容院予約シェアを盤石なものとし、その上で予約・顧客管理システムの「サロンボード」などで囲い込んでいるので、minimoなどの美容院予約サービスの新興勢力があってもなかなか1強は揺るがない。

Google Jobsでリクルートの求人検索indeedと正面衝突していたり、リクルートはAI研究所のトップに元GoogleのAIの権威アーロン・ハーベイ氏を引き抜いたり、事業領域がぶつかりつつあるが、アメリカにおけるパートナーシップ企業一覧を見ると予約サービスのトッププロバイダー企業たちが並んでおり、やはり日本でGoogleサービス内の美容院予約を導入するならリクルートのホットペッパービューティーとも組むだろう。

当たり前の話だが、そもそもホットペッパービューティーの美容院の地図で使っているGoogle Map APIは従量課金制であり、リクルートはGoogleの顧客でもある。すでにGoogle Mapのエコシステムに組み込まれているのだ。

Googleリザーブに予約機能を提供するパートナー企業
MINDBODY, Full Slate, Front Desk, Appointy, zingFit, Genbook, SalonRunner, Rosy, Yocale, Wellness Living, Booksy, Envision, MyTime, Schedulicity, Setmore, Shore, SimpleSpa, SuperSalon, TimeTrade

Googleにとって重要なのは一番上のレイヤーの顧客接触サービスとなることで、第三者企業のサービスの「機能・営業力」だけを抽出し、部品化し、自社のエコシステムに依存させられるかどうかだ。

グーグルリザーブ第一弾であるフィットネスの予約

Reserve with Googleの第一弾であるフィットネスの予約のデモンストレーションを見ると分かるように、Googleウォレットで決済も可能だ。

予約したらそのままシームレスにGoogleカレンダーに予定リストとして追加できる。

Googleはフィットネスと美容室予約・スパなどのビューティーカテゴリの予約サービスの展開は「はじまりにすぎない」と宣言しており、予約可能なあらゆる店舗・施設はGoogleのワンストップ予約プラットフォームに組み込まれるだろう。

GoogleにはFacebookに対抗して作ったGoogle+などの失敗例もあるし、最近のGoogleはAmazonの模倣ばかりで、うまくいくか疑問の余地もある。

だが、Googleにはこの予約プラットフォームをサービスとして単独で展開しているだけではなく、Google検索はもちろん、Google My Business(によるナレッジパネル)やGoogle Mapと連動させているため相乗効果が期待できるのだ。

つまり、Android、検索、Map、音声AIアシスタント(Google Home)と、Googleは消費者の入り口をおさえている以上、プラットフォーム化に優位性がある。

モバイルを制するためにはGoogle Mapは戦略の要の1つである

このReserve with GoogleはGoogle MapやGoogle検索結果(のナレッジパネル)からも利用できる。

ナレッジパネルのGoogleの戦略の面白さについては数日後には記事にする予定だ。

自分の現在地を中心としたGoogle Mapアプリを開くだけで今後あらゆる店舗が予約可能になるのだ。

Googleは(YouTubeがモバイルの柱であることは言うまでもないが)「モバイルを制するためにはGoogle Mapは戦略の要の1つである」としているが、自分を中心としたマップという”情報範囲の個人化”がスマホで情報を引き出す時には重要ということだ。

また、人は移動する。位置・移動情報はビッグデータであり、GoogleのAIの機械学習能力が得意とするものでもある。AIを用いなくても渋滞情報の通知につながったり、店舗の混雑時間帯が分かったりする。

地図ビジネスはGoogleの要であり、それゆえFacebookが地図ソーシャルWazeを買収しようとした時にGoogleは必死に抵抗したのだ。

Google Mapのプラットフォーム化

Google Mapからあらゆる店舗を予約可能にし、決済の陣取り合戦でも優位に立とうとしている。

すでにGoogle MapではOpenTableと提携してMapから直接レストランの予約もできるようにしている。日本ではまだ直接予約はできないが食べログやホットペッパーの予約フォームへのリンクはされているようだ。

また、予約だけでなく、Googleマップから直接Uberの配車の手配及びドライバーの追跡ができるようになっている。

ローカルガイドというGoogle Mapの草の根運動

店舗や施設などスポット情報は、オーナーが「Googleマイビジネス」で編集できるようになっているが、全ての店舗が必要な情報を埋めてくれるわけではない。

そこでGoogleはユーザーを「ローカルガイドになって自分の思い入れのある場所を世界の皆にシェアして!」と鼓舞し


着実に口コミを増やしている。

このようにGoogle自体に直接、店舗の口コミが多く投稿されるようになってきており、凡庸なレビューサイトも駆逐されかねない。

Google Mapはナビゲーション機能が強化されており、現在地点から目的地まで最短でいけるルートをリアルタイム表示してくれるのが人気だ。

そのため、Google Mapアプリが開かれた状態で歩くため、そのまま口コミを投稿・閲覧する導線が自然となっていることもGoogleの口コミの存在感が強くなっている要因だろうか。

地図ビジネスは激化している

当然ながら、車メーカーもGoogleの野望を抑止するために(実現されると車メーカーから主導権がGoogleに移転する)、アウディ、メルセデス、BMWがコンソーシアムを組んでノキアからHEREという高精度地図作成会社を買収した。

HEREの買収によって高精度地図のレイヤーのフォーマットから自動運転の規格統一で世界標準策定のリードを欧州勢がとりたいのだ。

グーグルの自動運転車とAndroid Autoそして車載OSへの野望
  2016/12/13追記: 完全自動運転車計画は断念とのこと。 ライダーのコストダウン問題(そしてTeslaが別方式で安価に自動運転を実現できている点)、 自動車メーカ...

かなり前に書いた記事なので予想がはずれたり情報が古くなっているが、基本ストーリーは変わらない。高精度地図は自動運転にとってキーなのだ。

現在HEREの株主は最初に買収に動いたAudi、BMW、Daimler陣営がそれぞれ25%、Intelが15%、残り10%を中国のIT2大勢力の1つTencent、中国の地図情報企業NavInfo、シンガポール政府の投資公社(GIC)が保有している。

Googleの未知数の自動運転スタートアップwaymoに”車の頭脳”を支配される脅威がある上に、Googleが高精度地図で独占状態にならないように、Apple Maps、HERE、TomTomと各国・各陣営の思惑がぶつかりあっている情勢が続いている。

また、自動車以外でも地図サービスで新しい動きもある。

たとえば、新興企業であるSNAPが最近リリースしたSNAP MAP(SNAPが買収した地図ソーシャルZenlyと似た仕組み)は友人のリアルタイム位置情報をうまく活かした面白いサービスだ。

Googleも友人同士のリアルタイム位置情報を活かしたサービスをはじめている。

このように、Google Mapはスマホが誰でももっているような時代だからこそビジネスの鍵となってきており、今後プラットフォームとしていかに複数の企業のサービスを取り込み共存共栄のエコシステム化していけるかがキーになってくるだろう。

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