アイコス(IQOS)は日本だけではなく世界でも普及しつつあることが一発で分かるグラフ

加熱式(蒸気)タバコIQOS分析記事タイトル画像

日本の報道では「2016年の世界の加熱式たばこの売上高で日本が96%を占めており」など、日本での局地的なブームでしかないような報道をされることもあるが、そんなことはないのだ。

日本だけのブームではなく、スタートラインは違えど世界でも伸びている。
アイコスの世界での販売数量シェアの伸び

まず、海外と日本の大きなマーケットとしての違いは日本は「ニコチンを含む電子タバコを医薬品医療機器等法上の未承認の医薬品として規制している」という状況。

IQOSのような加熱式タバコは本物のタバコ葉を使っているため電子タバコ扱いはされないので販売できるという特殊なマーケットの1つで、それゆえシェアを最優先で取りたい市場で、名古屋でのテストの結果需要が実際に見込まれたので先行投資の優先順位最上位となり、日本が普及率としては先行したというだけのことである。

電子タバコでは満たされない「タバコ感」を求めている消費者は少なくなく、電子タバコが普及している国であっても実際にタバコ葉をつかった加熱式タバコであるIQOSは伸びている。

201/4/19追記: 現在IQOSの世界におけるマーケットシェアは以下のようになっている。

日本以外で先行投入していたイタリア、スイス、ポルトガル、ルーマニアでも伸びている。

フィリップ・モリスのIR資料及び、それと合わせてGoogle Trend(検索ボリュームから見る人気度)から世界のIQOSの状況を推察してみよう。

イタリアのIQOSの伸び

イタリアのIQOSの販売数量の伸び
イタリアにおけるGoogleTrend

スイスのIQOSの伸び

WHOの本拠地スイスでのIQOSのシェア
スイスにおけるGoogleTrend

ポルトガルのIQOSの伸び

先行販売されていたポルトガルでのアイコス
ポルトガルにおけるGoogleTrend

ルーマニアのIQOSの伸び

東欧ルーマニアでのシェア
ルーマニアにおけるGoogleTrend

ロシアのIQOSの伸び

JTが強いロシアでのシェアも伸びている
ロシアにおけるGoogleTrend

IQOSは2017年末までに30-35の国や地域で販売が予定されている

最近の資料でも伸びはとまっていない。
最新の各国の販売シェアの伸び

IQOSを販売している国も増えている。
2017年末までに30から35ヶ国でアイコスを販売

先行市場に加わったドイツや、販売開始した国のGoogle Trendも見てみよう。

ドイツのIQOSのGoogle Trend

ドイツにおけるGoogleTrend

ギリシャのIQOSのGoogle Trend

ギリシャにおけるGoogleTrend

スペインのIQOSのGoogle Trend

スペインにおけるGoogleTrend

イギリスのIQOSのGoogle Trend

イギリスにおけるGoogleTrend

カナダのIQOSのGoogle Trend

カナダにおけるGoogleTrend

ちなみにアメリカではIQOSはFDAに申請中であり認可に1年かかると予想されている。

日本で三つ巴のアイコス、グロー、プルームテックの比較

日本におけるIQOS販売シェアグラフ
日本での普及度合いはこのような状況だが、福岡でIQOSが弱いのはJTのPloom Techとの住み分けがしっかりされているということもあるのかもしれない。

というわけでタバコ会社3社(Philip Morris International、ブリティッシュ・アメリカン・タバコとJT)のそれぞれの三つ巴製品のトレンドをチェックしてみよう。

アイコス・グロー・プルームテックのGoogleトレンド比較

*Ploom Techで検索している人が少ないのと、glo単独ワードでは混ざりすぎるのでだいたいこんな感じで。

それぞれの製品全てに言えることだが、メンソールのフレーバーが人気だ。

加熱式タバコのメリットはご存知の通りなので省略して各社製品の比較した上でのメリット・デメリットを整理していこう。

IQOSのメリット・デメリット

メリット:
最もタバコ感がある(理由は後述の特許)
コンビニでスティックを買える

デメリット:
かなり故障しやすい
掃除が大変
掃除する時にヒートブレードを折る人が多い
吸うまでに他の製品より工程が多い
独特の匂いが賛否両論
連続で吸えない

gloのメリット・デメリット

メリット:
掃除が楽
吸うまでの工程がIQOSよりシンプル
連続で吸える(ただし40秒待つ)
コンビニでスティックを買える

デメリット:
後半のスカスカ感
タバコ葉を内側から加熱する特許をIQOSに取られてしまったこともあり、スティックを外側から加熱せざるを得ないため紙の部分が焦げる範囲が広い(健康面)
紙パックジュースを飲んでいるような喫煙時の見た目が賛否両論

プルームテックのメリット・デメリット

メリット:
加熱したら時間制限のある他社製品に対し、回数上限までいつでもタイミングを分けて吸える
シンプル
禁煙へ最も移行しやすい
2社製品に比べて全く匂いがない

デメリット:
2社製品と比べタバコ感は満たされない
コンビニでカプセルが買えない(オンライン通販のみ)

最も研究開発費用をかけたIQOS

先行者として膨大な特許を保有しており
フィリップ・モリスが保有するIQOS関連特許
ヒートブレード構造によって中からタバコ葉を加熱することが他社との差別化でもあり
ヒートブレードの構造は金とプラチナで形成
逆にそれゆえの風味の好みの差もあって結局3社(PM、JT、BAT)ともある程度シェアを分けることになりそうだ。

ただし、フィリップ・モリスはIQOS以外のプラットフォームを3つテスト・展開しており、まだまだ先が読めない。

2017/5/3に開かれたフィリップ・モリス インターナショナルの年次株主総会において披露された同社資料に興味深い画像があった。   ...
  日本で昨年ヒットしたiQOSの勢いが止まりません。 他人に配慮する日本の文化だから日本特有の普及の仕方をし...

筆者は非喫煙者ではあるがPMホルダーであることを留意していただきたい。JTもBATも常に投資検討リストにはいっており、いずれにせよ喫煙を推奨する目的で記事を書いたわけではなく純粋な市場調査であることをご理解いただきたい。

ビル・ゲイツ財団やWHOなどの圧力でタバコそのものが消し去られようと圧力をかけられている中で社会と共存する嗜好品に導くためにも、IQOSを販売しているフィリップ・モリスCEOが「最終的に従来の燃焼させる紙巻きタバコの販売をやめる」と宣言したのは加熱式タバコの需要が世界的に十分にあり手応えがあったということもあるのだろう。

フィリップモリス インターナショナル(Philip Morris International Inc)は、2008年に米国最大のタバコ企...

シェアする

みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    プルームテックからニコチンリキッド個人輸入でVAPE(電子タバコ)始める人多そうですね。
    JTはプルテク売れば売るほどタバコ売れなくなるんじゃないかと心配。
    でもパープルフレーバーが人気みたいなんで匂い気にする人でタール少ないの吸ってた人はプルテク移行できるでしょうね。

    余談ですが、VAPE(電子タバコ)による「爆煙」は個人的にはあまり推奨できません。
    グリセリンの量が多すぎると例えば室内で吸えば(期間にもよりますが)壁がベトベトしてきますし機器にも影響を与えかねません。
    なのでプルテクくらいのグリセリン量が程よいのでは。

    だから電子タバコも紙巻きも加熱タバコも、結局併存するんだろうなあと予想してます。