イルミナ【ILMN】次世代シーケンサーによって安価にDNA解析ができる時代の到来

illumina

Illumina, Inc.【NASDAQ:ILMN】
イルミナは疾患を引き起こす遺伝的変異や遺伝子機能の大規模解析を行うための次世代シーケンサー(遺伝子配列解析)で世界最大のシェアの米国企業。

ゲノミクス分野において先行するイルミナは、ゲノム医療の拡がりによる個別化医療(患者の遺伝子に基づくオーダーメイド医療)の実現を支援する包括的なポートフォリオ・サービスを開発・販売している。

ゲノム医療とは
生命の設計図であるゲノム情報を患者の細胞から次世代シーケンサーで遺伝情報を網羅的に調べ、その結果をもとにして、より効果的に病気の診断と最適な治療を行うもの。
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安価にゲノム解析できるようになる時代へ

ヒトの全DNA配列を解析する国際プロジェクト「ヒトゲノム計画」は2003年には全塩基配列が決定したが30億ドルという費用がかかったというが、今やその遺伝子解析コストは100万分の1以下に低下し、個人が遺伝子を気軽に検査できる時代に突入することとなった。

その価格低下の要因が、イルミナがリードしている次世代シーケンサー(NGS:Next Generation Sequencing)で、イルミナは当初はマイクロアレイという遺伝子発現解析技術でのサービスを実施していた。

次世代シーケンサーとは
一度に広範囲のDNA断片に対して大量並列による遺伝子配列解析を処理することが可能で、その結果を組み合わせてゲノム情報を短時間かつ低コストで取得することができるもの。

ILLUMINA-Revenue-mix

イルミナの売上は米国が中心だが、世界の幅広い学術機関、政府機関、製薬企業、バイオテクノロジー企業などを顧客としている。

イルミナといえば高額な次世代シーケンサーの売上に依存していそうなイメージかもしれないが、この売上構成比率を見ての通り、消耗品が64%と遺伝子解析につかう試薬などの消耗品や保守サービスによって継続的に利益を上げるビジネスモデルも組み込み予想以上に安定的に売上を伸ばしている。

もちろん高額なハイスパック遺伝子シーケンサーだけではなく、iSeqなど、より安価なモデルも登場している。

iSeq

イルミナの幅広い次世代シーケンサーのポートフォリオ

Illumina-lineup

最先端シーケンスとアレイベースのソリューションを軸としたイルミナの製品ポートフォリオは、ゲノムの複雑性やスループット(単位時間あたりの遺伝子解析処理量)要求に幅広く対応。

NovaSeq

まずは、最も効率性の高い最新型DNAシーケンサーNovaSeq(ノバセク)は、2日半で48人分の全ヒトゲノムを解析できるほどの性能。超高額のため導入できる機関も少ないもののイルミナのフラグシップモデルだ。

HiSeq

NovaSeq登場まではイルミナの最高スループットの遺伝子シーケンサーだったHiSeqも伸びている。

消費者向け遺伝子検査とイルミナ

Illumina-Consumer-Genomics

2017年に米国食品医薬局(FDA)は、それまで事実上禁止していた消費者への遺伝子情報の直接販売の規制を緩和すると発表し、一気に活性化した。

消費者向け遺伝子検査といえばMITが選定した世界で最も革新的な50社に選定された23andMe(トゥウェンティー・スリー・アンド・ミー)が有名だ。

23andMeは2013年に消費者向けの初の直販型遺伝子検査の販売を始めたが、FDAの取り締まりを受けていたが2017年からようやく認められた形だ。

また、イルミナは世界で最初のDNA検査のオンライン販売サイトを設立したヘリックス(Helix)の50%の株主だ。

さらにイルミナは「1000ドル以下のコストで、症状の出現前に多くのがんを検知できる血液検査の開発を計画」する検査会社GRAILを立ち上げている。

Illumina-Portfolio

イルミナの競合

DNAシークエンサー市場の対抗馬だったライフテクノロジーズサーモフィッシャー・サイエンティフィックに買収されている。

サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific Inc)は世界最大の計測機器・試薬メーカー...

もう1社はオックスフォード・ナノポアテクノロジーズ(Oxford Nanopore)
オックスフォード・ナノポアはUSBサイズの使い捨てDNAシーケンサーMinION(ミニオン)が話題に。あらゆる場所で特定のDNA解析ができるポータブル性と1000ドルの低価格が特徴。

同社はイルミナが出資していたが、特許を侵害したと同社をイルミナが訴訟した(そして出資を解消)ことによって特許を侵害しない別の方法にたどり着き、結果的にイルミナの脅威となってしまった感もある。

パシフィック・バイオサイエンシズ(Pacific Biosciences) NASDAQ:PACB
ロングリードを特徴とする次世代シーケンサーを開発。以前調べた時にショート寄りで断片化した解析のイルミナの脅威になるかと思っていたが株価を見る限りそうでもないのだろうか?

中国の競合企業BGIはイルミナの次世代シーケンサーの大口顧客でもあり、競合相手でもある。

BGIは世界最大規模のゲノム研究所を擁する企業で、米国政府以上に中国政府はゲノム医療に多額の投資をおこなう意向で、米中の競争も激しくなっていきそうだ。

イルミナの業績と決算

ILMN2018

イルミナの業績推移グラフ

(2017年度はTTM)

製品の導入の拡がりで、安定的ではあるが利益率が製品ほど高くはないサービス収入比率が高まり、マージンは下落し続けている。また、製品の利益率も減少傾向ではある。

<イルミナの株価>

イルミナの決算を時系列でまとめる

<Illumina ’17 Q3決算> 2017/10/24
EPS $1.11 予想 +$0.12
売上 $714M (+17.6% Y/Y) 予想 +$20.73M

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