Ctrip【NASDAQ:CTRP】Trip.comを海外向けブランドとした中国最大のOTA(オンライン旅行会社)

Ctrip

Ctrip.com International, Ltd.【NASDAQ:CTRP】
Ctrip.com(シートリップ:携程旅行网)は中国最大シェアのOTA

OTAとは?
OTA: Online Travel Agent
国内・海外の旅行会社、航空会社、ホテル、民泊を含む各種宿泊施設などと提携し、オンラインで航空券・列車チケット手配および宿泊予約を代行する企業

中国のオンライン旅行予約市場のマーケットシェア

航空券オンライン予約の中国マーケットシェアで1位はCtripで、去哪儿旅行(Qunar)もCtrip傘下。

格安航空券で伸び、航空会社の直販を奪って成長したQunarは中国最大のメタサーチ(最安値の航空券などの横断比較・旅行検索サイト)でフライト予約の売上比率が高い。

2015年に百度(バイドゥ)傘下だったQunarの株式の45%をCtripが取得し、バイドゥはCtripの株式の25%を取得

それ以来バイドゥはCtripの大株主だ。(Baiduは中国検索エンジン最大手)

また、Fliggy(飞猪)はアリババ傘下のOTAAlibabaは中国最大規模のECプラットフォーム企業

中国のオンラインホテル予約市場シェアでもCtripのシェアは高い。

追記:2018Q2時点で競合のMeituan-Dianping(美団・大衆点評)の子会社であるMeituan Hotelsのシェアが急進していると報告されている。

艺龙旅行网(eLong)もCtrip傘下。2015年にeLongはCtripが買収(Expediaから株式を取得)、後に残りの株式もテンセントらと共に取得。

その後、2017年には艺龙(elong)と同程旅游(LY.com)が合併し同程艺龙となり、会員プラットフォームを統合。

テンセントが出資している口コミサイト・配車・シェアバイク・出前と勢力を拡げ勢いのあるMeituan-Dianping(美団・大衆点評)には世界最大のOTAであるブッキングホールディングスも少し出資し、Meituanはブッキングホールディングス傘下の宿泊予約サービスAgoda.com(アゴダ)との戦略的提携を行っている。

ブッキングホールディングスはCtripの株主でもある。

Booking Holdings, Inc.【NASDAQ:BKNG】 ブッキング・ホールディングスは世界最大のOTAで、ホテル予約からレ...

また、見る影もない中国OTAのTuniu(途牛 NASDAQ:TOUR)は業績も株価もやばいことになってる。ちなみにTuniuにもCtripは出資している。

ええぃ!あっちもこっちも株主が主要プレイヤー総乱れでややこしい…!

とりあえず見ておけばいいのはテンセント、アリババ、バイドゥといったBAT陣営の動きと、新興で勢いのあるMeituan、そして世界2大OTAのブッキングとエクスペディアといったところか。

まず今のところは、中国OTA市場はCtripの傘下あるいは影響圏がほとんどという状況だ。

中国のオンラインホテル予約業界の市場規模は新中産階級の台頭もあり伸びている。

Ctripは中国国内でのOTA全体のマーケットシェアでは65%を占める中国最大のオンライン旅行会社(会員数3億人)として、国内の競争過多をある程度終息させ(中国のことだからここで競争が終わるわけがないが)、海外に目を向けている。

中国で半分の市場シェアを築いたCtripが狙うはインド、そして海外へ。

Ctripは2016年、インド最大のOTAのMake My Trip(NASDAQ:MMYT)に1億8000万ドル出資している。

メイクマイトリップの業績を見ると競争の激しさが伝わってくるが…新興勢力も多く、またブッキングホールディングスが中国とは違ってインドでは容赦ないだろう。

ブッキングホールディングスはCtripの大株主でもあり中国のネットサービスで外資がシェアを取るのは構造的に難しいので中国ではおとなしくしている。

OTAだけでなく世界全体の流れを見ると、インドは(中国ではシェアの取れない)米国勢が非常にリソースをさいてシェアを取りにきており、激しい消耗戦が想定される。

また、Ctripはイギリスのユニコーン企業だったスカイスキャナーを約14億ポンド(およそ2000億円程度)で買収

Skyscannerは旅行業界のメタサーチとして航空券の最安値横断比較サービスを提供

また、2017年には米国の旅行計画サイトであるTrip.comを買収。主な狙いはTrip.comという直接的なドメイン価値だろう。

中国の印象が強かったCtripを海外向けにリブランディングしたTrip.comブランドで海外戦略を展開しはじめている。

たとえばすでにCtripで検索しても日本居住者向けにはjp.Trip.comに誘導してくる。

Accommodation reservation(宿泊予約)
Transportation Ticketing(航空チケット等)
Packaged tours(パッケージツアー)
Corporate travel(コーポレート・トラベル)

といった売上高構成で、主に宿泊と航空チケットがメイン。航空券予約シェアの高い事業の買収などで売上構成比に変化がみられた。

Ctrip.comの業績推移グラフ

*発行済株式数も10年で2倍になっている。

Ctripの株価

シートリップの決算を時系列でまとめる

Ctrip ’18 Q1決算> 2018/5/22
EPS $0.29(RMB1.81) 予想 +$0.13
売上 $1.08B (RMB6.7B +11% Y/Y) 予想 +$30M

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