ザ コカ・コーラ カンパニー(KO)- ブランド価値評価ランキングの常連

ザ コカ・コーラ カンパニー

米コカコーラ社(The Coca-Cola Company)は世界200ヶ国以上でコカ・コーラなど清涼飲料水を販売する企業。

コカ・コーラ社はグローバルのブランド価値評価ランキングで13年連続1位(近年はAppleなどに1位の座を明け渡した。参考:Best Global Brands)とその世界的なブランド力を背景に百数十年に渡って愛されてきた商品を販売し続けている。

米コカ・コーラ株価チャート

本社であるザ コカ・コーラ カンパニーは製品の企画開発・マーケティング戦略と原液メーカーとして、ボトラーという濃縮原液を水で薄めて容器にいれる最終製品と出荷を手がける瓶詰め会社(主にフランチャイジー)に原液を供給する。

ボトラーは地域ごとに分けられエリア内での独占的な原液からの最終製造・販売ライセンスを得ている。

そのボトラーの販売量に応じた一定のフィーが米本社であるザ コカ・コーラ カンパニーに還元される仕組みである。

ボトラーは、コカ・コーラ本社と資本関係を持たない独立資本の企業がほとんどであり、ボトラーをフランチャイズ化することでコカ・コーラ本社自体は高い利益率を維持することができた。

もちろん、コカ・コーラを大規模展開するための設備投資や流通網構築をアウトソースするためにも系列のボトラーは流通上切り離せない密接な関係で、本社の戦略上、一時的にフランチャイジーを取り込み、設備投資などのテコ入れを行い、再フランチャイズ化などを行う場合がある。

コカコーラ社の業績推移グラフ

ペプシとコカ・コーラの競争

その圧倒的なシェアにより長らくコカ・コーラ経営陣はペプシの存在や競争的な罵倒を無視し続けていた。

しかしペプシコによる、ペプシチャレンジPRの大成功でペプシのシェアが急増し、経営陣はその態度を急変させることになった。

ブラインドテストでコカ・コーラとペプシを飲み比べてもらうペプシチャレンジの全米でのペプシの勝利PR(一口飲む事と、一缶飲み終わることは別で、ペプシはコーラより甘いので一口目に有利だという説があるが)にペプシを危険な競合だと対応策を練り始めたわけだ。

Pepsi Challenge 1983 Commercial

そこでコカ・コーラ陣営は、ペプシに対抗するための味としてコカ・コーラをニュー・コークとしてリニューアルを行い大々的に発表した。

しかし、そのニュー・コークは大失敗に終わった。

ニュー・コークの失敗は逆にクラシックなコカ・コーラの熱烈な愛飲者の存在を浮かび上がらせ、当時のマスコミの「コカ・コーラ戦争」としてのショーのような取り上げられ方、また結果的に陳列棚争いで復活したコカ・コーラ・クラシックと新タイプのコークの両方を幅広く獲得するなど優位に立つことになったことで失敗とは言い切れないかもしれないという説もある。

"New Coke" Coca-Cola Commercial – 1985

その後もコカ・コーラ社とペプシコにおける熾烈な価格競争により、利益率こそ犠牲にしたが、米炭酸飲料市場の参入障壁(陳列棚争い)は高まり、2大炭酸飲料の巨人として近年は以前ほどの価格競争は行わず、両社は安定した収益を生み出してきた(炭酸飲料離れが進行しているといわれているが)

両社は規模の利点をいかした広告戦略と流通コストで優位性が生まれており、そのブランド力とあわさり安定的な業績で、鉄板の連続増配配当銘柄としても愛好されている。

コカ・コーラ・カンパニーの競合他社

ペプシコ(PEP)
―PepsiCo, Inc.
ドクターペッパー・スナップル・グループ(DPS)
―Dr Pepper Snapple Group Inc.
モンスター・ビバレッジ(MNST)
―Monster Beverage Corp
―エナジードリンク「モンスターエナジー」を販売
―コカ・コーラがMNSTの16.7%の株式を取得
―米コカ・コーラはレッドブルを頂点とするエナジードリンク市場に度々参入するがレッドブルの牙城を崩せなかったこともモンスターの株式を取得した要因の1つかもしれない。

シェアする

みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    コーヒーメーカー「キューリグ」の製造元であるグリーン・マウンテン・コーヒー・ロースターズ(GMCR)の株式10%をコカ・コーラ社が取得しました。

    GMCRは自宅で炭酸水が作れる「ソーダストリーム」という製品を開発しており、今回の提携はおそらく家庭用のコーラサーバーを開発するための提携といいます。

    よくファミレスのドリンクバーにあるようなマシンというのはあれはコーラのシロップと炭酸水を合わせただけですからね、それを家庭でもということなのでしょう。

    しかしこれがもし普及した場合、ボトラーの将来は厳しいものになるのではないですか?

    ともあれ、モンスタービバレッジの株式を十数%購入したり、今回のも10%だったり、まるごと買収ではない資本参加のやり方が好みのようですね。

  2. 匿名投資家 より:

    甘い炭酸飲料の伸びが鈍化しているのは、健康志向の高まりと、最大の炭酸飲料消費国でもあるメキシコの炭酸税が大きいでしょうね。

    米コカコーラ 2015年1-3月期 Q1決算

    純利益: 1株当たり0.35ドル
    前年同期: 0.36ドル

    訴訟や買収等除くと: 0.48ドル
    市場予想: 0.42ドル

    売上高: 107.1億ドル
    前年同期比: 1.3%増
    市場予想: 106.6億ドル

    北米の販売数量は炭酸飲料が1%減少で非炭酸飲料は2%伸びた。

    米コカコーラ本社より日本コカコーラの方が製品開発力・マーケティング力があると思いますね。アクエリアス、いろはす等。比較的現地に権限移譲はしていますが。

    非炭酸飲料の成長が必要ならば日本コカコーラ発の製品に期待したいです。

    最近は米本社はよくわからん高級ミルク市場に参入したりして心配です。ミルク市場はシュリンクする一方なのに。

  3. 匿名投資家 より:

    コカコーラ社がこの夏、高級野菜オーガニックジュースで人気のSuja Juicesの株式を取得しましたね。
    2012年創業で1ボトルあたり1000円ぐらい(本投稿時点)するプレミアムジュースなんですがかなり成長しているようで有望です。フォーブスでもよく名前があがります。

    モンスタービバレッジの株式を取得したように、丸ごと買収せずに少数株式を取得するスタイルにKOはこだわっていますね。
    キューリグがやらかしちゃったのでSujaには期待したいところです。

    お値段がお高いのは理由があって独自のコールドプレス製法(熱ではなく)によって酵素や栄養素が損なわれないように作られているようで、NON-GMO、オーガニックとまさに健康志向のリッチな消費者から好まれているようです。

    • 匿名投資家 より:

      Suja Juicesは高級ジュースカテゴリではかなり有望ですよ。コカコーラ社は丸ごと買収してしまえばよかったのになんで中途半端に20%程度の取得なんでしょうか。

  4. 匿名投資家 より:

    あちゃー…2007-09年の収益過少申告で33億ドル追徴課税の可能性ですって。

    米コカコーラ社の海外でのライセンス契約による収益の申告に問題があったと米当局はみているようで。どうなるんでしょう。