カーボンブラック【NASDAQ:CBLK】エンドポイント・セキュリティを中核としたサイバーセキュリティ企業

Carbon-Black
Carbon Black, Inc.(NASDAQ:CBLK)
カーボンブラックは次世代エンドポイント・セキュリティを(最近はクラウドベースで)提供し運用を簡素化するサイバーセキュリティ・ベンダー。

(多くのセキュリティ企業が次世代セキュリティを名乗っているので、とりあえず業界全体が次世代に移行しつつあるようだ!)

Carbon-Black_Next-Generation-Endpoint-Security-Leader

クラウドに移行するカーボンブラック: 全エンドポイントから収集したデータによる攻撃チェーンの可視化

Mobility-and-Cloud-Are-Transforming-Security

企業のモバイルとクラウドの移行トレンドで社内外問わず、エンドポイントの保護がより重要になってきている。

エンドポイント、つまりPCなどの端末に導入したカーボンブラックのセキュリティエージェントが不審な振る舞いを常時監視・検知して攻撃者に侵入されたデバイスを隔離・修復。

Traditional-Security-Service-Is-Ineffective

従来のセキュリティサービスと比較したアピール、さすがにこれは誇張があるだろう…。どこも似たようなことを始めているので差別化はなかなか難しい。

Carbon-Black_Strong-Growth-Powered-by-Cloud

業績は非常に伸びている。クラウド移行中にも関わらず売上成長率をさほど落とさなかったのも永久ライセンス比率がすでに低かったこともある。

世界各国で4000社近くが導入し、フォーチュン100企業のうち30社が採用。

Carbon-Black_Predictive-Security-Cloud

Cb Predictive Security Cloudはビッグデータ分析を全てのエンドポイントの保護に適用し、従来型の保護に加え未知の攻撃の予測と防御にデータ分析を活かすプラットフォーム。合併や買収で獲得したサービスを包括的にクラウドベースで提供。

Carbon-Black_Unfiltered-Endpoint-Data

カーボンブラックのセキュリティ他社との違い(同社調べ)は、データをフィルタリングせずにオフライン・オンライン全てのあらゆるエンドポイントのデータをリアルタイムで収集し、システム内部で隠れている新種の攻撃を検出し、阻止するというもの。

常時プロセスをモニタリングし攻撃チェーン(攻撃の各段階)の可視化で、攻撃者の意図を把握しやすくする。

Endpoint-Security-TAM

市場は断片化され競合も多くひしめくが、カーボンブラックはエンドポイントセキュリティを中核にクロスセルを拡大していく方針。

Why-Carbon-Black-Wins

名指しで比較して煽られているのはシマンテックやマカフィー、シスコやパロアルトネットワークスなど。

ただどのセキュリティ企業も調子いいこと主張するから鵜呑みにせず、徐々に情報を補完しつつ比較していきたい。

最近カーボンブラックは成長率がかなり低いジュニパーネットワークスと提携してネットワークとエンドポイントで脅威情報を共有するようだが、これが微妙に「次世代感」がなくてひっかかる。

セキュリティ業界で方向性が分かりやすいのは、これだけ断片化して無数にベンダーが乱立しているセキュリティ業界においてプラットフォーム戦略を最大化しようとしているパロアルトネットワークス、厳密にはセキュリティ特化企業というわけではないがセキュリティ自動化・オーケストレーションを強化しているスプランク、そしてSaaS時代の追い風をうけたクラウドネイティブのセキュリティSaaS企業Zscalerあたりだろうか。

Gartner-Magic-Quadrant-for-Endpoint-Protection-Platforms-2018-Trend-Micro

ガートナーの調査によるとエンドポイントセキュリティにおける競合状況はこんな感じで密集。

Carbon Blackの四半期ごとの業績データを整理

ほぼ誤差だったのでグラフにしなかったがサブスクリプション・ライセンス・サポート(Subscription, license and support)売上高のうち、永久ライセンス(Perpetual license revenue)売上高が3%程度占めていたが、徐々にその比率は減少している。よって全体におけるRecurring Revenue(経常収益)比率は90%程度といったところだ。

Carbon-Black_Recurring-Revenue

永久ライセンスベースからサブスクリプションベースなど経常収益中心にシフト。

クラウド比率はまだ20%といったところ。

Carbon-Black_Rapid-Adoption-of-Cloud-Product-Driving-ARR-Growth

Carbon-Black_Non-GAAP-Margin

カーボンブラックの株価

2002年に設立されたBit9と2011年に設立されたCarbon Blackが2014年2月に合併し、2016年2月1日にCarbon Blackに社名変更。

Bit9の主力製品
現在のCb Protection

旧Carbon Blackの主力製品
現在のCb Response
現在のCb Collective Defense Cloud(脅威検出、攻撃分類)

Conferの主力製品(2016年7月に買収)
現在のCb Defense
(Cb DefenseはCPUの使用率が1%以下でメモリは25MB程度で「軽い」というのは評判だ。)

という製品ラインナップが統合された。

現在のカーボンブラックのCTOは、合併前のCarbon Blackを2011年に共同設立した共同創業者Michael Viscuso氏。

カーボンブラックの決算を時系列でまとめる

Carbon Black ’18 Q2決算> 2018/8/7
EPS -$0.35 予想 +$0.06
売上 $51M (+31.8% Y/Y) 予想 +$2.09M
ARR +34% Y/Y
クラウド収益 +146% Y/Y

この記事の上の方にあるグラフにまとめているがGAAPベース・Non-GAAPベースともに利益率は悪化している。

Carbon Black ’18 Q1決算> 2018/6/7
EPS -$0.98 予想 +$0.29
売上 $48.43M (+34.7% Y/Y) 予想 +$0.44M

Q2ガイダンス
売上 $48.5M~$49M (コンセンサス: $48.21M)
EPS -$0.41~-$0.42 (コンセンサス: -$0.43)

FY18ガイダンス
売上 $203M~$204.5M (コンセンサス: $202.01M)
EPS -$1.32~-$1.35 (コンセンサス: -$1.38)