ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)- 世界最大級の通信インフラ企業

Verizon

ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)は世界最大級の通信インフラ事業者。米国最大の携帯電話事業者であるベライゾン・ワイヤレスを子会社にしている。

1970-80年代当時に通信分野で独占状態にあったAT&T(発明家グラハム・ベルのベル電話会社)の政府による反トラスト訴訟の和解の結果、AT&Tの長距離交換部門以外が地域ベル電話会社7社(BabyBells)として地域電話部門が分割され、市場競争への道が拓かれた。

自由競争の結果の再統合により、地域ベル電話会社のベル・アトランティックとナイネックス両社が合併し、2000年に非ベル系でハワイなど小規模都市をカバーしていたGTE(General Telephone and Electronics)の巨額買収を完了し、ベライゾン・コミュニケーションズとして誕生した。

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ベライゾン株価チャート

ベライゾンは、同様に地域ベル系を再統合したAT&TとともにベライゾンとAT&Tで長く米国の通信事業で2強時代を築いてきた。

2013年には英ボーダフォンとの合弁事業Verizon Wireless(ベライゾン・ワイヤレス)のボーダフォンの持ち分45%全てを1300億ドルで買取り合弁を解消。それにより長年望んできた米国シェア1位の約1億人の利用者をかかえる携帯電話事業の完全子会社化を達成。

固定電話事業が鈍化する一方で携帯電話事業は売上が成長。個人向けには光ファイバー・ネットワークサービスのFiOS(高速インターネット・テレビ)も提供しており、企業や政府向けに電話回線やデータサービスを提供している。自社の国際間IPネットワーク用の長大な光ファイバーケーブル網を活かし、そのネットワークとデータセンサー・クラウド、セキュリティサービスをあわせて提供できるのがベライゾンの強みだ。(セキュリティは2007年の米サイバートラスト買収で強化、クラウドは2011年のTerremark、CloudSwitch買収で強化)

ベライゾンの業績推移グラフ

ソフトバンクのスプリント買収やT-モバイルUSなどの米国通信業界3位・4位が仕掛ける価格競争による競争激化は懸念されているが、ベライゾンは2000年代に同業他社が設備投資を削る中でインフラ投資を重ねてきた結果、他社に比べエリア・品質において数年先行しており(このページTOPの画像で4G LTEのカバー範囲の圧倒的な差を紹介)、顧客がそれをどう天秤にかけ評価するか、また、Googleなどの参入によるシェア争いがどう動くか注目されている。

2004年4月8日にダウ平均に採用された。

成熟した高配当企業であり、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)も2014年にベライゾン株をおよそ5億ドル購入していた。

通信業以外の多角化戦略(メディアやIoT)を取り始めており、2015年にはAOLを44億ドルで買収し、2016年にはYahooの本体事業を48億3000万のキャッシュで買収することを合意したことによって、メディア・コングロマリットとしても頭角をあらわしている。

ベライゾンの競合通信事業者

AT&T(T)
 ―2強の片割れ。ディレクTVを485億ドルで買収。
T-モバイルUS(TMUS)
 ―T-Mobile US, Inc.
スプリント・コーポレーション(S)
 ―Sprint Corporation.
 ―2013年ソフトバンクが216億ドルで買収

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みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    補足ですがベライゾンは、IoTに関連して、M2Mソリューション、つまりMachine to Machineで人を介さず遠隔地の機器同士が主に無線などのIPネットワークを介して通信し合い自動的に最適な制御・情報処理を行う仕組みを提供する事業に参入し多角化に動いています。

    2010年にマシン・トゥ・マシン事業に無線技術大手のクアルコムのnPhaseと合弁会社を設立し、さらに2012年にはHughes Telematics社(ヒューズ・テレマティックス)買収によってM2M事業をさらに強化。

    具体的に言うと、機器間の無線通信による情報授受を処理する技術を自動車向け通信サービスや電力管理、室温自動調節器などホームオートメーション、心臓機能監視などモバイル医療といった各種システムに提供できるというものですが、このM2M事業は将来的な成長分野として注目されています。

    枯れた企業と誤解されがちなベライゾンですがまだまだ伸びしろはあるんじゃないですかね。もちろん主力である携帯電話事業などの拡大余地はパイの奪い合い懸念もありますし、その売上高に比べれば微々たる動きではありますが。

    ちなみに競合のAT&Tは2009年にM2Mプラットフォーム事業のためJasper Wirelessと提携しています。

  2. 匿名投資家 より:

    また、ベライゾンはテレビコンテンツ配信業界でも8番手(Huluやネットフリックスなどネットテレビ含めると)であり約500万の有料TV契約数を持っています(FiOS TV)

    その配信の仕方についてウォルト・ディズニー傘下のESPNやNBCユニバーサルやフォックスともめてまして、ちょっとこれが気になります。

    現時点の配当利回りは4.39%で配当金目的でも悪くない感じしますけど、高配当株は利上げの影響や価格競争の不透明感はありますね。

    Verizon 2015年1-3月期 Q1決算

    純利益: 1株当たり1.02ドル
    前年同期: 1.15ドル
    市場予想: 0.95ドル

    売上高: 320億ドル
    前年同期比: 3.8%増
    市場予想: 323億ドル

  3. 匿名投資家 より:

    AOL買収に合意したようです(およそ44億ドル)プレミアムは17.4%ですから割高な買収ともいえない水準。

    AOLを買収した理由はモバイル動画配信プラットホームへのAOLの広告面の強みや、モバイル視聴者向け動画コンテンツの拡充でしょうか?AOLは他にもTechCrunchやEngadgetやハフィントン・ポスト等のサイトを保有していますね。

    AT&TがディレクTV買収したのは良かったと思いますが、今のAOLにどれほど魅力があるのでしょうか?

  4. 匿名投資家 より:

    AOL買収につづいてベライゾンはヤフーが最近検討しているネット中核事業売却の買い手として検討しているようですね。

    広告プラットホームを統合することとメディアの強化が狙いという意味ではシナジーはありそうですが、回線事業の先の見通しに自信がないんでしょうかね…

    グーグルファイバーとかの新興勢力だけじゃなく太陽光ドローンによるネット接続とか基地局を使わない新しいネットインフラの道も開拓されそうですし、スプリントが仕掛ける価格破壊もありますしね。

    日本のソフトバンクの状況みてるとある程度シェアとったら談合的に価格統一して利益確保フェーズにはいるでしょうから長期的にはさほどスプリントには懸念してませんが。