テラダイン【TER】テスター世界大手のユニバーサルロボットが急成長

TERADYNE
Teradyne, Inc.【NYSE:TER】
テラダインは自動試験装置(ATE)で世界最大のメーカーで、世界シェア1位の協働ロボットメーカーのユニバーサルロボットが傘下。

自動試験装置とは?
ATE: Automatic Test Equipment

例えば半導体の製造ラインの後工程で不良の発見と除去のため、シリコンウエハーの電子回路に信号を流して正常に動作するかどうかを検査する装置(テスター)

半導体製造装置業界における後工程でテラダインは高いシェア。

半導体を製造するために必要な半導体製造装置は、半導体産業全体の約15%程度と大きな市場で、半導体製造装置産業は日本と米国だけで約80...

半導体試験装置以外では無線(ワイヤレス)テストやストレージテストなど。

TER-Sales

テラダインは半導体試験装置でアドバンテストとシェアを二分する

テラダインのATE(自動検査装置)シェア推移
Teradyne-ATE-Market-Share
*2017年はシェアが50%になった。

競合は日本の株式会社アドバンテストで半導体試験装置において世界シェアを同社と2分する。

アドバンテストはメモリテスタ(NAND、DRAMなどのメモリ)でシェア1位。

テラダインは非メモリテスタ(スマートフォン・車載半導体・有機EL向け等)に強く、非メモリテスタの方が市場規模が大きく成長している。

ATE-ADVANTEST
Source: ADVANTEST

アドバンテスト「半導体の大容量化と複雑化(3D NAND等)で、層数向上と多ビット化に比例するようにテストタイム短縮難易度が上昇し、テスタ市場も拡大。」というが、テスト容易化設計やテスタの耐用年数の長期化という逆風もあり、テラダインはテスタ以外の事業の多様化を模索している。

テラダインの協働ロボット「ユニバーサルロボット」がすごい

Flexible cobots at Hofmann Glastechnik

従来の産業用ロボットといえば安全対策のため人間が近寄れないフェンスの向こうにあった。

そんな中、人とロボットが同じ場所で安全に協調作業ができるコラボレーションロボット(Cobot)のリーディングカンパニーであるユニバーサルロボットを2015年にテラダインが2億8500万ドルで買収した。

ユニバーサルロボットは2005年に「中小企業などでも簡単に取り付けられ、容易にプログラミング(やってもらいたい作業をティーチング)できる軽量なロボットを作ろう」とデンマークで創業された企業だ。

反復プロセスや危険な製造現場などでの作業を自動化・合理化するために使われる。

Robotics applications by Universal Robots – Easy Automation with Collaborative Robots [ 2020 ]

協働ロボットの市場規模は年率50-70%で成長し、2021年には20億-30億ドルに達すると予想されている(UR調べ)

協働ロボットの競合はスイスのABB、日本のファナックや安川電機、ライフロボティクスなど。

ABBやファナック、安川電機など産業ロボット界の重鎮相手に、先行したユニバーサルロボットは協働ロボットのシェアで58%とダントツの1位(売上高ベース)で、すでに17000台以上が世界で稼働している。

ユニバーサルロボットの強みは、シンプルで安いこと。

平均で6カ月~1年で投資回収可能だという。これは実際に稼働している上記動画を見てもらえば実感できると思うが、人の単純作業で代替可能な作業は非常に多い。

あくまで協働とはいうが、実際のところ人件費と照らしあわせて24時間稼働可能な安価なロボットというのはかなり社会的インパクトがあるものだと思われる。普及加速による規模の経済、競合他社との競争でさらに高性能化・コモディティ化していくことだろう。

デフォルトでもピック&プレイス、研磨、接着、溶接、ネジ止め、組み立てなどできることは多く、さらに「UniversalRobots+」というプラットフォーム戦略を採用し、サードパーティ(第三者企業)がUR向けに開発したソフトウェアやアクセサリ(用途に応じたロボットのアームの取替)など顧客ニーズに合わせて拡張するエコシステムを形成している。

テラダインの2018年の業績見通しとしてもユニバーサルロボットは前年比50%以上の売上高成長を見込んでいる。(2015年に58%、2016年に62%、2017年に72%の成長)

2017年はURの売上高目標が前年比50%増で結果が72%増だった。

テラダインの業績推移グラフ

(2017年はTTM)

TERADYNE-2021

半導体セクターが売られる局面ではテラダインも大きく売られる。今後はユニバーサルロボットの売上構成比率が高くなっていく見通し。

テラダインの株価

テラダインの決算を時系列でまとめる

Teradyne ’18 Q3決算> 2018/10/23
EPS $0.71 予想 +$0.08
売上 $567M (+12.7% Y/Y) 予想 +$10.11M

半導体セクターは各社見通しが悪いがテラダインはそれを見越してかロボット・オートメーション領域にBETしている。
ユニバーサルロボットは売上高が前年比46%成長。
インダストリアル・オートメーション事業(MiRなど)の売上高は前年比64%成長。

Teradyne ’18 Q2決算> 2018/7/25
EPS $0.59 予想 +$0.10
売上 $526.93M (-24.4% Y/Y) 予想 +$19.42M

ユニバーサルロボットは売上高が前年比45%成長、今年買収したMiR(Mobile Industrial Robots)は前年比85%成長。

Teradyne ’18 Q1決算> 2018/4/24
EPS $0.45 予想 +$0.03
売上 $487.47M (+6.7% Y/Y) 予想 +$9.05M

ユニバーサルロボットは前年比34%成長。2018会計年度の予想は50%増だから期待以下か。協業ロボットの競争環境も激しくなってきたのだろうか。

Teradyne ’17 Q4決算> 2018/1/25
EPS $0.46 予想 +$0.12
売上 $479.42M (+26.2% Y/Y) 予想 +$40.59M

シェアする