モービルアイ(MBLY)- 先進運転補助システム(ADAS)から自動運転へ

Mobileye

インテルに買収されたモービルアイ(Mobileye N.V.)は、独自の単眼カメラセンターから取り込んだ情報から自動車の事故・衝突の危険性をコンピュータで分析しリスクを抑止してくれる製品を開発するイスラエルの大学発のハイテク企業で、先端運転支援システム(ADAS)における衝突防止を担う情報処理機能を世界中のほとんどの自動車メーカーに供給している。

Mobileye Muscles in on Google's Driverless Future

このようにモービルアイの製品によって運転しなくてもOKな自動運転車の未来を切り開くことができる。

先進運転補助システム(ADAS)におけるモービルアイの製品の位置づけ

ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)は、カメラやレーダー・センサーで車がぶつからないように予知して運転者の代わりに車を制御したり警報を出したり安全性を高め、また、カーライフを便利に楽にするための運転手の支援や運転技術の補完、運転の補助や代理まで行うよう開発されたシステムのこと。

交通渋滞でハンドルをにぎらずに済んだらその時間を無駄にせず他のことをできるようになるのだ。

mobileye product

モービルアイの製品は、ぶつかりそうになったらドライバーに警告、追突しないようブレーキを自動でかけてくれたり(後付製品の場合は警報)、前の車との距離やスピードにあわせた車間距離をアシストしてくれたり、居眠り運転などで誤って車線をはみだしたらブザーで気づかせてくれたりする。

単眼カメラ単独で、先行車との衝突防止、先行車追従、白線認識、などの機能を実現できる半導体チップを開発し、単眼カメラが安価に導入できることもあり世界を先行し大きくシェアをリードした。

さらに単眼カメラが取り込んだ情報だけで完結させず、他のレーダが取り込んだ障害物等の周囲情報をモービルアイのチップ(EyeQx)が高速に照らし合わせるフュージョンの仕組みを持っているため、モービルアイからチップを供給、あるいは戦略的提携している各社はモービルアイの製品を中心に自社の独自のセンサーなどと合わせた商品設計・差別化が可能となっている。

もちろん単独での運用も十分に可能のため、安価に事故防止できる後付け車載カメラとしても広く普及しはじめている。

ADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタント・システム)用のキーデバイス・コンポーネントで、とりわけADAS用車載カメラの成長性は突出しており、その中で最もシェアを先行して伸ばしたのがモービルアイです。

モービルアイの単眼カメラ

Mobile+eyeという社名の通り、同社独自の視覚ベースを基盤にした画像検知・処理システムで、ドライバーを支える「車の眼」となって衝突リスクなどを軽減する技術を開発している。

車のフロントガラス等に取り付けた同社の単眼レンズカメラから取り込む画像情報から、独自のチップセットの認識アルゴリズムで、主に前方の車両、人、車線を認識し、その対象物との距離を導き出し、対象物と自車の相対速度をリアルタイムに高速で算出し、自動車や障害物に衝突する危険性をコンピューターが分析し、衝突が迫ると未然にブザー音やディスプレイアイコンを表示したり、必要に応じて自動ブレーキをかける仕組み。

前方単眼センシングカメラ単独のシステム以外に、メーカーの要求に合わせメーカー各社のレーダやミリ波センサーなどの他のセンサーと組み合わせてのセンサーフュージョンシステムの実績も豊富

そのような障害物検知のセンサーを組み合わせるシステムは単眼カメラ単独よりも高価格となるため主に高級車向けで、大衆車などはコストパフォーマンスに優れたモービルアイの単眼カメラセンサーシステム中心にならざるを得ない。

また、安価な単眼カメラで単独で衝突防止や適切な車間距離の管理、対向車線にはみださないように知らせてくれる仕組みが完結しているため、既存の車両に後付け車載も可能で、旧型の車両の安全対策にも導入が進んでいる。

1つのカメラだけで車間距離が分かる仕組み

モービルアイの単眼カメラは、遠近法の原理を利用して距離を計算している。具体的には、道路の幅や車線は無限遠(ピント合わせ不要距離のような)の地平線で消点に収束し、その消失点からどの程度下にずれるかをカメラのCMOSイメージセンサーでリアルタイムで動画のフレームを計測し距離が分かるという技術だ。

Camera-Detection-4-Range
モービルアイの製品は単に1つのカメラで前方だけカバーするにとどまらず、このように複数のカメラを使って、大型車の死角をカバーできるようにもできる。つまり製品の出荷ボリュームを数倍に上げる余地もあるのだ。

Mobileye introduces the new Shield+

ステレオカメラとのシェア争い

車載カメラにはモービルアイの強みであるモノラルカメラ以外に、ステレオカメラがある。

ステレオカメラとは2つのカメラの視差で映像を立体的にとらえ、障害物までの距離を画像解析で算出できる。

モービルアイの単眼カメラがコンパクトで済むのに対し、ステレオタイプのカメラは、2つのカメラの間に最低30cmは離れていないと性能を十分に発揮できず(これはTRWによる分析でカメラ性能向上によって変わるかも)、すなわち設置スペースを多く必要としてしまう。

また、CCDカメラが2つ必要であることからもコスト面で単眼カメラに優位性がある。

SUBARU EyeSight ステレオカメラ

もちろん、カメラ間距離を取ればとるほど測定可能範囲が広がるが、カメラの位置ズレ問題も生じやすくなるため、ステレオカメラ方式で200件近い特許を持つ富士重工業(スバル アイサイト)も最適なカメラ間距離を35cmと結論づけている。

スバル アイサイト

一方、軽自動車で初となるステレオカメラ方式(デュアルカメラブレーキサポート)を採用したスズキはカメラ中心間距離を16cmまで縮め、スバルのアイサイトのほどの性能よりも必要十分の機能とコンパクトさを重視した。

富士重工業もスズキもステレオカメラのサプライヤーは日立オートモーティブシステムズとなっている。

モービルアイの真価はEyeQ

単眼カメラだけで衝突防止システムを単独提供できることもすごいが、カメラには夜などの暗い場所に弱いという弱点があり、レーダーなど他のセンサーと組み合わせることによってより広範囲に全天候型で障害物の検出ができるようになり、上位モデルなどではカメラだけではなく複数のセンサーを使うことが主流だ。

カメラやレーダーなど複数のセンサーからの情報を処理するにあたっては、それら情報をまとめて合成し、その中で衝突のリスクのある対象物を判断するキーデバイスが必要となる。

EyeQ

そこで、モービルアイのEyeQチップ(自動車の目でありながら、自動車の知能でもあると”IQ”を文字ったのだろう)は、カメラからの映像と他のセンサーからの情報を合わせて分析し(センサーフュージョン)、より高度に障害物を検知する、先進運転支援システムのセンシングにおける頭脳の役割を担うことができる。

センサーフュージョンとは、カメラやレーダーの長所短所を補完し合いながら障害物を検出することで、悪天候や夜などの暗い環境に弱いカメラを補うには、電磁波による測距技術で悪天候に強いミリ波レーダーが主流だ。

モービルアイは、同社のイメージプロセッサーEyeQ3、EyeQ4と性能を次第に向上させ、カメラからの映像から車両や歩行者の膨大な形状データベース(このような画像認識に必要な素材を”教師”と呼ぶ)とのパターンマッチングを行い、ミリ波レーダーなど他のセンサーからの情報を合わせてより精度の高いセンサーフュージョンをも1チップ化して実現している。そのため基板面積が小さく低コストで済む。

EyeQの高性能化によってレーダーからカメラへ主役が移る

まだEyeQ2だった頃は、単眼カメラ単独の場合、遠距離からセンシング可能なミリ波レーダに比べると距離検出が不安定だったので車間距離制御型定速走行システム(ACC)への車速に制限があったが、EyeQ3では全速度対応可能になるなど、半導体の高性能化によって、単眼カメラ単独でも検測距離が伸び、対応可能な事例が増えてきている。

ミリ波レーダーは交通標識や白線の認識などはできないため、どちらに転んでもADASにおいてカメラは不可欠なもので、そもそもミリ波レーダーはカメラより価格が高いため、上位モデル車以外採用されにくい。

Mazda i-ACTIVSENSE
例: Mazda i-ACTIVSENSE

一方、カメラはレーダーと違い境界の認識が容易で、単眼カメラはカメラの画素数の向上やEyeQxチップの性能の向上によって物体認識距離も伸び、さらに暗闇でも撮影できるイメージセンサーなどの進化によって将来的に暗い場所に弱いとされていたカメラの弱点もカバーされる可能性も高く、カメラ性能向上への期待としては、スマートフォンの普及と競争によるカメラの解像度や夜間撮影機能などが日々向上している流れは不可逆的で、今後もレーダーなどの車載センサーがカメラに置き換えられるトレンドは持続する見込みだ。

EyeQ4はイメージプロセッサーの処理性能が前世代のEyeQ3に比べ6倍にもなっている。

デファクト・スタンダードを狙うシェアの拡大

テスラ・モーターズ、アウディ、BMW、オペル、フィアット、フォード、ゼネラルモーターズ、ホンダ、ジャガー・ランドローバー、ボルボ、日産など世界の大手自動車メーカーのほとんどがモービルアイの技術を採用するなど、日欧米の主要自動車メーカーの約9割にSoC(システム・オン・チップ)を供給している。

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大手自動車メーカーで採用予定がないのは、トヨタ(トヨタグループのデンソーのレーダーとステレオシステムや、コンチネンタルのCMOSカメラとレーザーレーダーを採用)とメルセデス(オートリブを採用、ステレオカメラはLGエレクトロニクス)などで、日立製作所をサプライヤーにし「アイサイト」を開発した富士重工業(スバル)も独自のステレオカメラシステムを進化させる方向性だ。

モービルアイはTier1サプライヤ(メーカーに直接納入する一次サプライヤー)を介して複数のOEMに高級車から大衆車まで共通技術を提供する戦略をとっている。

自動車の販売量は長期的に上昇傾向なので、これからモービルアイの製品がどの程度組み込まれ続けるかに注目したい。

carvolume

事故を減らす安全性への需要と政府による規制や義務化が追い風

どの車にも備え付けられている標準装備であるシートベルトやエアバッグなど”事故が起こったとき”の被害を軽減する「パッシブ・セーフティ」に対して、”事故が起こらないように未然に防ぐ”ための安全機能は「アクティブ・セーフティ」とされる。

パッシブ・セーフティで事故をおさえることが頭打ちになってきたため、現在はアクティブセーフティの導入がメーカーも政府も力を入れているところで、事故を未然に防ぐアクティブ・セーフティでキーとなる機能として人間や車両などの障害物を検知して衝突を回避するAEB(緊急自動ブレーキ)の導入が求められている。

米国家運輸安全委員会(NTSB)によると、AEBが標準装備化されることによって、車両の追突事故の約8割を防止できると予測されている。

実際、2015年9月にアウディ、BMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ボルボ、テスラ、GM、フォード、マツダ、トヨタの10社が、自動車にAEBを将来的に標準装備とすることに合意している。

また、NTSBと共にその合意先でもある米道路安全保険協会 (IIHS) の調査によると、初歩的な前方衝突警報システムですら、車両の事故率は約7パーセント減少しているされ、そのような様々な研究データから各国で導入補助金を出して普及の促進に政府も積極的に関与している。

たとえば、日本ではモービルアイの衝突警報システムの後付け車載製品は国土交通省の定める先進安全自動車装置(ASV)導入補助金の対象にもなったり、過労運転防止補助金対象選定機器ともなっている。

将来的に前方衝突回避機能やAEBも義務化される可能性は高い。

モービルアイの後付けできる衝突防止補助システム

5分でわかるMobileye C2-270(モービルアイ)

モービルアイは新車のSoCとして供給される以外に、アフターマーケット(後付け車載製品)として、ほとんどの車種に後から手軽に取り付け可能な衝突防止補助システムを販売しており、衝突の危険が迫ると未然にブザー音とアイコン表示による警報を出し、事故を未然に防ぐ機能を広く提供している。

後付け製品のため、自動でブレーキを踏む機能はないが、交通事故の原因は前方不注意が最多であり、それを抑止してくれるだけで事故の抑止や、大事故になる可能性を軽減してくれるため、ドライバーの高齢化に伴い、次第に認知度が高くなっている。

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モービルアイの後付製品の価格は10万円台と安価で、事故のリスクと事故コスト(修理・賠償費用、保険料等)の削減や、モービルアイが警告を発しないようドライビングすることで急発進・急ブレーキを減少させ、適正な車間距離が促進されるなど走行の安定化に伴う燃費の改善からコストパフォーマンスがよく特に商用車両・社用車の導入が進んでいる。

衝突防止補助に加え、ドラレコや運転管理システムとの連携機能を追加することによって、透明性のある安全性への評価基準としてもバス会社・タクシー会社・運送会社などでの評判は高い。

製品の改良も進んでおり、最新機種では他機器への影響が懸念されていた発生電磁波も減少し、他機器との併用の幅が広がっている。

保険料が安くなる=安全性の証明

モービルアイを取り付けることによって事故の確率も軽減でき、事故のサイズ自体も小さくすることができる。これは、イリノイ大学シカゴ校のヤールババッド名誉教授による米国大手運輸会社トラック5000台協力を得た走行距離16億kmに及ぶ検証では、Mobileye非搭載車は搭載車に比べて1.4倍事故発生率が高く、事故1件ごとでは約10万円の損害引当差額が発生したという調査結果となったことから。

また、スイスのAXAの交通事故分析レポートによると2.5秒前にブレーキを踏むことで、ほぼ100%事故を防止できると結論付け、モービルアイの衝突防止補助システムは、追突の2.7秒前に警告を発することを評価している。

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こうした効果が認められ、損害保険会社の中には、Mobileye衝突防止補助システムを車両に取り付けた場合の包括責任保険の特別割引を提供しはじめている。

膨大な走行データと先行者優位性

モービルアイは走行時の画像データを取り込むデータベースシステムを運用しており、その蓄積されたデータの解析による認識アルゴリズムの改良で精度を向上させている。

モービルアイ搭載の車両が増え続けることでさらに走行データが集まり、そのビッグデータは同社の技術的財産となっている。

自動車メーカーはリコールや訴訟リスクを回避するために、実績多数のモービルアイに対し、新興サービスの利用は簡単にはスイッチしないため、すでに8-9割のシェアを獲得したモービルアイのスイッチングコスト資産は大きい。

モービルアイ株価チャート

自律運転者(ドライバーレス・カー)に向けたグーグルとの違い

「自己運転車は2016年にGoogleよりも安いコストで実用化される」とモービルアイは主張している。

Semi-autonomous driving this year: Mobileye's CEO Ziv Aviram

MobileyeとGoogleの違いはアプローチの仕方が大きく異なる。

Googleは自律運転車をテストするためのライセンスを付与された最初の企業で早い段階から走行テストを行っているが、Googleはクラウドから制御された乗り物を目指しており、MAP情報・GPSを補助としたり、AIを作ったり、完全に人間が関与しないことを前提としたアプローチをとろうとしている。

一方、モービルアイはカメラのみでカメラから取り込んだ情報をリアルタイムで分析していく現場のセンシング分析性能の延長線上に自動運転を実現しようとしている。

半導体やカメラの高性能化や低コスト化によって、複数のカメラを搭載するだけで低コストにADASや自律運転性能を持つことが可能とされている。

ちなみに、高精度地図データに関しては自律運転車にとって補助的に重要なデータであるため欧州自動車メーカー3社が共同で地図データ事業を買収するなど、自動車メーカー側も将来の車の規格争いに負けないためにカードをきっている、

現実的には、地図データ・クラウド・カメラと画像認識、様々な技術が融合した共存が着地点であるだろうし、買収や協業などどのような勢力争いになっていくのかが注目ポイントだ。

モービルアイの経営

エルサレムのヘブライ大学コンピューター科学教授アムノン・シャシュア(Amnon Shashua)氏がモービルアイの共同創設者で会長で、CEOがジブ・アビラム(Ziv Aviram)氏。

両者によって1999年に創業された。本社はグローバル企業として税率をふまえてオランダに登記され、研究開発センターはイスラエルのエルサレムにある。

モービルアイの技術は1990年代からヘブライ大学の研究所レベルで研究されており、OEMからのステレオカメラを使った衝突回避システム開発要求に対し「単眼カメラでできる」と回答したことが開発のきっかけとなり、その開発のために創業し、2007年に量産化された。

Mobileyeの業績推移グラフ

関連会社と競合とリスク

STマイクロエレクトロニクス(STM)
STMicroelectronics NV
スイスのジュネーヴ本社の半導体メーカー
モービルアイの製品全てに組み込まれているEyeQチップの製造をSTマイクロエレクトロニクス1社だけに依存しているのがサプライチェーン上のリスクとして懸念される。

エヌビディア(NVDA)
NVIDIA Corporation
アウディの中央制御ユニットにはモービルアイのEyeQとNVIDIAのTegraが採用されるなど、NVIDIAの画像認識プロセッサにおける成長余地も大きい。
従来のGPUでは消費電力が多く車に搭載できなかったが、NVIDIAはTegra X1をコアとする自動車用車載コンピュータであるNVIDIA DRIVEシリーズを開発した。
nvidia drive
カメラから入力される対象物認識にディープラーニング(深層学習)が使われるなど、GPUの世界最大手が車載ビジョンプロセッサからプラットホームソリューションに本腰をいれている。

フリースケール・セミコンダクタ(FSL)
Freescale Semiconductor Ltd
センサーフュージョン機能を搭載した画像認識プロセッサを開発
S32Vビジョン・プロセッサ

東芝
画像認識プロセッサ Visconti
Toshiba_Visconti

テキサス・インスツルメンツ(TXN)
Texas Instruments Incorporated
画像認識などのSoC

ボッシュ
Bosch(ドイツ)
ADAS技術部門に2000人以上のエンジニア
自動車のレーダーセンサーで上位シェア

コンチネンタル
Continental AG(ドイツ)
トヨタにCMOSカメラとLIDARを出荷

デンソー
トヨタグループで、トヨタにADAS製品を出荷

デルファイ・オートモーティブ(DLPH)
Delphi Automotive PLC
GMから分社化された自動車部品メーカー
史上初の自律走行でのアメリカ横断

オートリブ(ALV)
Autoliv Inc.(スウェーデン)
世界最大手の自動車安全システムサプライヤー

TRWオートモーティブ・ホールディングス(TRW)
ZF TRW Automotive Holdings Corp
2002年には衝突防止用の77GHz長距離レーダー、2008年には車線維持支援機能用のカメラを製品化している実績がある。
モービルアイのEyeQ3やEyeQ4を採用し、ユーロNCAPの自動緊急ブレーキの評価基準に対応できる単眼カメラ「S-Cam3」、撮像素子が230万画素に向上した単眼カメラ「S-Cam4」を2018年に市場投入。

ヴァレオ
Valeo SA(フランス)
ヴァレオは、自動運転市場向けに、モービルアイのEyeQプロセッサ・ビジョンアルゴリズムとレーザースキャンを組み合わせた製品を開発。

マグナ・インターナショナル(MGA)
Magna International Inc.
カナダのマグナは北米で車線検出用カメラやリアビューカメラでトップ。
EyeQを搭載し、単眼カメラを用いて、前方の車両・歩行者とその距離、車線と標識などを認識でき、これらの情報を分析・判断したステアリング・アクセル・ブレーキで高速道路での手放しで自動運転に成功している。

ジェンテックス(GNTX)
Gentex Corporation

株式会社ZMP
単眼カメラによる汎用画像認識システム「RoboVision Single」

富士重工業
SUBARUの先進運転支援システムEyeSightは、世界で初めてステレオカメラのみで全車速追従クルーズコントロール機能や車両・歩行者・自転車を認識したプリクラッシュセーフティ機能を実現

グーグル(GOOGL)
Alphabet Inc
自動運転車のテストとAndroid Auto、クラウドで自律運転車で先行。

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みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    モービルアイのIPOではゴールドマン・サックスはかなり儲けましたよね。上場前に投資してましたから。

    気になる点が2つあります。

    R&D(研究開発)費が競合他社に比べ少ないので、技術優位性がどの程度続くのかという不安。ただ数年後導入予定の技術を見る限りだともう地位は盤石な感じもする。

    ただ、モービルアイのシェアは圧倒的でありながら、モービルアイのチップの販売チャネルはTier1が主であり、Tier1自体がADASにおけるソリューションを開発しているプレイヤーでもあるため、顧客が競争相手となる可能性もあり、直接競合するカメラシステムを出荷しているTier1もあるくらいですし、モービルアイの独走をほっとかないでしょう。

    テスラのように個人にも人気の銘柄なので株価のボラティリティはかなり高いですね。

  2. 匿名投資家 より:

    EyeQチップのサプライヤーが1社だけとありますが、STマイクロエレクトロニクスの前はARMがサプライヤーだったような記憶が。つまり、大して切り替えが今後あっても問題ないと思われます。

    STマイクロエレクトロニクスの方が規模の大きいサプライヤーですし。

    ところで、競合カメラシステムであるスバルアイサイトの富士重工業などが採用するステレオカメラのカメラ式センサーはCCDを用いたシステムですね。

    CCDはMobileyeが採用するCMOSセンサーよりも一般的に単価はやや高いですし単価面でもモービルアイに優位性はありそう。

    高性能CMOSの登場によって一概には単価比較はできませんが。将来性もCMOSセンサーの方があるのでは?ソニーなんかもCMOSセンサーの高性能化に注力していますよね。

    • 匿名投資家 より:

      MobileyeはST Microelectronicsとは2005年から運転安全技術を共同開発してきた長い付き合いみたいですよ。

      第3世代のドライバー・アシスト・システム用SoC(EyeQ3)からSTと総括的に踏み込んだ戦略パートナーとして組んだんじゃないですかね。

  3. 匿名投資家 より:

    Mobileyeの第3四半期決算はGood

    売上高が前年比で103.7%増と好調。アフターマーケット(後付製品)は$9.8Mと前年比66%増と第二四半期の前年比88%と比較すると減速しているのが気になりますが、モービルアイの一番重要な領域であるOEM(Tier1への納入)売上高は$60.8Mと前年比111%増とQ2の前年比55%と比べると堅調な伸び。四半期単位で比較するものじゃないですけどね。

    MBLY Q3
    EPS $0.15 市場予想を $0.02 上回る
    売上高 $70.65M 市場予想を $3.29M 上回る

    グロスマージンも74.4%と伸び、ガイダンスもやや引き上げ。
    (Q2は 74% で前年同期は 74.1%)

  4. 匿名投資家 より:

    モービルアイの優位性において重要なポイントがあります。

    ステレオカメラベースのシステムからモノラルカメラベースに顧客が移動しているだけでなく、将来性においても車体の周囲に8つのカメラを搭載した試作モデルがあるように、モノラルカメラは応用範囲が広いです。

    想像してください。アイサイトについているようなでかいステレオカメラを車体の周囲に8つもつけられますか?そんな百目のような奇妙な車にいったい誰が乗りますか?

    ビジュアル的にもスケーラビリティ面でもモノラルカメラが将来的にも勝者でしょう。ステレオカメラは所詮は車の前方での用途しか最初は想定されていなかったものでしょうから。そもそもコストで単眼カメラに劣ります。

    オートリブやボッシュ、コンチネンタルなどの競合の動きは脅威ですが、ディープラーニングは容易な技術ではなく、モービルアイの指数関数的に蓄積された運転データの参入障壁は大きいです。

    見積もりを100%取れている状況からみても、車メーカーは限りなく近い自動ブレーキ義務化への対応を急ぐにあたって実績のあるモービルアイ(EyeQチップ)を選ばざるを得ないのです。

    気になるのはテスラのself-learningシステムには当社は関与していないということですね。これはNVIDIAが担当しているのかな?テスラに詳しい方どなたか補足あったらお願いします。”新しい”ディープラーニング部分においては住み分けなのかな。もちろんモービルアイはテスラの重要なパートナーで、テスラの自律運転に貢献しています。

    わりとモービルアイとNVIDIAの組み合わせという車種が増えてきそうな感じですね。つまりエヌビディアは共存可能であり、エヌビディアはカメラシステムを作ることはありません。セットでの投資がいいかもしれませんね(この割高PERをふまえて投資するなら)。

    将来的な競合はおそらくオートリブ、ボッシュ、コンチネンタルのTier1勢でしょう。しかし追いつくのは容易ではありません。ちなみにトヨタも自動運転技術のためのAI研究に巨額の投資を来年からはじめますね。トヨタはモービルアイやGoogleなどに車の頭脳部分を支配されないために必死です。

  5. 匿名投資家 より:

    ドイツ勢はHERE買収で自動運転において重要な「地図」の標準化で米国勢(GoogleとApple)に対抗しつつ、さらにビジョン通りに駒を進めている印象です。
    日本勢はトヨタが後手でAIに大規模投資したぐらいですか?

    で、モービルアイですがBMWとインテルと組んで完全自動運転の量産車(iNext)を2021年までに作ると提携を発表していましたね。
    ここで重要なのがこの3社で業界標準を狙っていくということです。
    これから自動運転は標準化の争いがどこがどう組むかに注目ですね。

  6. 匿名投資家 より:

    テスラがモービルアイとの契約を延長しないっぽいですね。
    それで株価暴落してますが、テスラの次の動きが気になります。

    まあ現状のように支配的なポジションだったモービルアイは
    メーカー・ティア1にとっては目の上のたんこぶでもあり、
    メーカーにとっては車の頭脳部分を簡単に支配されてしまえば
    価格決定権でモービルアイのいいようにされてしまいますし
    このような動きは想定内でしょう。

    今後は多極的な勢力図のうちの1つとしてどことどう組んでいくかというフェーズにはいっただけと思います。

  7. 匿名投資家 より:

    以前からR&D支出が少なすぎてこんな規模の研究開発投資で業界トップリーダーを維持できるのか?という空売り筋の意見はありますね。

  8. 匿名投資家 より:

    東芝が単眼カメラでステレオカメラ同等の精度の距離画像とカラー画像を同時に得られる技術を開発したことで、日本勢はモービルアイ以外のオプションを手に入れたかもしれませんよ。

    NVIDIA+東芝単眼カメラ+αでなんとかなりませんかね。

    結局ディープラーニングの進化によってこれまでの蓄積を時短できるようになっていることがモービルアイの将来的な牙城が思ったほど無いのではという懸念があるのですが。

    もちろん実績をつんできたことは大きいのでモービルアイのシェアが0になるようなイメージはありませんが、やはり3強ぐらいに日本勢、欧州勢、米国勢でパートナーシップがうまく分散していくような気がします。結局はメーカーによる価格圧力はすごいですからね。