堅実なバランスシートのシェブロン(CVX)

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1879年創業のシェブロン(Chevron Corporation)は古くはセブン・シスターズと呼ばれた世界の石油を独占状態においた国際石油資本のうちの1社であり、現在もスーパーメジャーの一角に分類される。

2008年2月19日にNYダウ平均構成銘柄に採用された同社は、原油やガスの探査から生産・輸送・精製・販売といわゆる上流・下流工程を垂直統合で全て自社で一括で行っており、石油化学薬品の生産・販売や、米欧アジアでの発電事業も手がける。

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業績推移グラフ

上流事業:原油高を背景に増益
原油と天然ガスの探鉱・生産、液化天然ガスの加工・液化・輸送・再ガス化、国際石油パイプラインによる原油の輸送、天然ガスの輸送・貯蔵・販売・ガス液化プロジェクト

下流事業:原油安を背景に増益
原油から石油製品への精製、精練製品の輸送、石油化学製品、工業用プラスチック、燃料と潤滑油添加剤の製造・販売

Chevron、Texaco(一部州)、Caltex、Standard Oil(一部州)などのブランドでガソリンスタンドも運営している。

シェブロンの歴史

1879年:米国でパシフィック・コースト・オイルとして創業
1900年:ロックフェラーのスタンダード・オイルに買収
1911年:反トラスト規制で同社分裂によりスタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア(SoCal)として発足
1984年:セブンシスターズの一角であったGulf Oilと当時史上最大の合併劇、社名をシェブロンに変更
2001年:同じくセブンシスターズの一角であったテキサコを買収

シェブロン株価チャート

Gorgon LNG development


世界最大規模のLNGプロジェクトであるオーストラリア西部沖合のゴーゴン天然ガス田プロジェクト(Gorgon Project)の生産を開始する。

推定埋蔵量約40兆立方フィートの天然ガス田ゴルゴンおよびジャンズを含む11カ所のガス田の採掘に関する枠組み合意ではシェブロン・テキサコが50%、エクソンモービル25%、シェル25%の権益を保有する。

このゴルゴン液化天然ガス(LNG)プロジェクトは総額540億米ドルのビッグプロジェクトで、既に韓国のSKグループが2017年から5年間LNG415万トンの購入(これによりゴーゴンLNGの3/4以上がアジアへ輸出)に合意している。

Wheatstone Project


また、シェブロン社が2016年末のLNG生産開始を目指して操業を担うウィートストーンLNGプロジェクト(Wheatstone Project)は年間890万トンのLNGが供給される予定。日本がLNGの買い手として参画している。

権益はシェブロン72.136%、アパッチ13%、クフペック7%、シェル6.4%、九州電力1.464%(このうち日本が官民一体(東京電力・三菱商事・日本郵船など)で共同参画したPEがシェブロン持分より8~10%を取得する予定)

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via Chevron Corporation’s 2015 Security Analyst Meeting

これらゴーゴン、ウィートストーン等の大規模プロジェクトの先行していた設備投資見通しが落ち着いていることがシェブロンのキャッシュ・フローに大きな影響を与える。

同社のバランスシートの健全さとその管理には定評があり、1バレルあたりの利益額は石油メジャーではトップであったり、このような攻めの投資をしながらも、保有する豪石油精製会社カルテックス・オーストラリアの株式50%すべてを37億米ドルで売却し、ポーランド・ルーマニアでのシェールガス開発も中止するなどの選択と集中も行なう。自社株買い計画を撤回したのも原油価格の暴落に対応するためであり、それでもCEOは配当金維持が最優先事項と表明している。

再生可能エネルギーと先端技術にも投資しており、日本においても近年もユーグレナの航空機向けバイオ燃料の精製プラント建設にシェブロン子会社が技術供与することで合意している。

同業他社

エクソンモービル(XOM)
 ―米Exxon Mobil
ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS.B)
 ―英蘭Royal Dutch Shell
BP(BP)
 ―英British Petroleum
トタル(TOT)
 ―仏Total
コノコフィリップス(COP)
 ―米ConocoPhillips

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みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    原油価格が安定さえしてくれればシェブロンは今はディスカウントプライスですね。原油在庫は一時的にだぶつくことはあるでしょうが需要が失われたわけでもないですし。

    すでにLNGの安定した買い手が日本・韓国と長期契約とれているわけですし。

    供給に関しての懸念としてシェールのリグカウントも現実的な範囲で推移することが前提ですが…

  2. 匿名投資家 より:

    1/30の決算ですが、もうすぐ決算なので備忘録がてら。

    ▼シェブロン 2014 4Q決算

    純利益:1株当たり1.85ドル(予想1.63ドル)(前年2.57ドル)

    上流部門の利益は45%減で、下流部門の利益は4倍増

    2015年の設備投資を13%削減し350億ドルとする方針

    記事に紹介されているように、2大LNGプロジェクトの稼働が控えているのでFCFからの配当金カツカツではあるものの、見通しは暗くはないのでは。

    もちろん原油価格が30ドル台、20ドル台にいくようでしたら違ってきますが…

  3. 匿名投資家 より:

    CVXは27年も連続増配記録を維持している配当貴族銘柄であることもお忘れなく。

    原油価格も回復傾向ですね。中国が緩和傾向というのもあるんでしょうか。

  4. 匿名投資家 より:

    記事にある通り設備投資が減少しているので利益は予想を上回っていますね。

    原油価格も60ドル回復していますし、そろそろシェブロンやエクソン・モービルあたりを物色しはじめた人も多そう。

    CVX 2015年1-3月期 第1四半期決算

    純利益: 1株当たり1.37ドル
    前年同期: 2.36ドル
    市場予想: 0.79ドル

    売上高: 345.6億ドル
    前年同期比: 35%減
    市場予想: 243.7億ドル

  5. 匿名投資家 より:

    原油株ひどい株価クラッシュが続いてる。
    ジム・クレイマーの最近の発言によると「原油が$40を割れるまでは原油株を買うのを待て」

    あるいはロシアやベネズエラなどの反米国家に危機が起こるまで待つのも手かもしれんね

  6. 匿名投資家 より:

    原油価格に対する感応度がエクソン・モービルよりシェブロンの方が高い理由は両社の利益に占める精製・化学部門の比率がシェブロンが低いからでしょうか。

    つまり、XOMは原油価格が下がることで利益の出せる下流部門が厚いけどシェブロンはそうではないと。
    (過去10年の精製・化学部門の総利益における比率はXOMが25%弱、CVXは10%)

    オーストラリアの高コスト開発が今になって響いてますね・・・

    • 匿名投資家 より:

      しかしシェブロンの純債務は資本のわずかで、バランスシートは健全で、しかもその債務の大半を返済できる多額のキャッシュを保有しています。

      オーストラリアのプロジェクトは高コストではありましたがほとんど完成しており、来年度からの負担は減っていきますし、どうなんでしょうか。

  7. 匿名投資家 より:

    シェブロンのバランスシートはレバレッジがそんなかかってませんから
    他のコスト削減で減配リスクはほぼ0でしょう。
    配当を最優先するといっていますし増配とめちゃったりしたら(色々な不透明感を投資家が感じて)それこそ株価クラッシュすることはCEOは理解しています。

    GorgonとWheatstoneのLNGプロジェクトのコストが当初よりも負担になってしまいましたが、2017年にはそれもクリアになりますし長期契約も多いですから悪くない配当利回りだと思いますけどね。

    配当利回りが高いことはいいことです。シーゲル本にもあるように経営者への圧力となり、XOMのように割高な買収をしたりしないのですから。

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