航空宇宙・ビルシステム事業に絞るユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)

United Technologies

ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies Corporation)は航空機エンジン事業、航空宇宙事業、エレベータ・空調・セキュリティなどのビルシステム事業を中核とする「世界で最も革新的な企業」としても名が上がるコングロマリット(多国籍複合企業)で、多数の企業が統合して1929年に設立されたユナイテッド・エアクラフト・アンド・トランスポートが1934年に反トラスト法によりボーイング、ユナイテッド航空、UTCとして解体された。

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ユナイテッド・テクノロジーズ株価チャート

UTC株価チャート(月足)

コングロマリットであったUTCだが、中核事業である航空宇宙・ビルシステム事業の強化のため事業ポートフォリオを集約再編(買収と売却)しつつある。

2015年にはヘリコプター事業(Sikorsky Aircraft)は非中核部門として売却。
軍事用ヘリコプターを中心とした世界的ヘリコプターメーカーであった
シコルスキー・エアクラフトは1923年イーゴリ・シコールスキイにより創業され
世界初の実用的な近代的ヘリコプターの開発に成功し、
米軍のブラックホークや大統領専用ヘリ(マリーンワン)を製造で有名だが、
ロッキード・マーティンがUTCから90億ドルで買収した。

現在UTCは大きくわけて以下の事業を中核としている。

ビル・産業システム事業

■エレベータ・エスカレータ
オーチス・エレベータ・カンパニー(Otis Elevator Company)
 ―世界最大のエレベータメーカー(製造、設置、保守点検)
 ―1853年に落下防止装置を発明しエレベーターをはじめて実用化したエリシャ・オーチスが創業。

■空調システム
キヤリアCarrier Corporation
 ―世界シェア上位の空調設備メーカー。
 ―キヤリア社は大型の冷蔵庫の設計製造を最初に始めた会社でもある。
 ―1902年に技術者ウィリス・キャリアによって世界初の電気式エア・コンディショナーが開発され1914年に創業。

■防火・消火製品・セキュリティサービス
UTCファイア&セキュリティー
 ―Chubb(チャブ)等のブランドで防火製品・安全ソリューション提供

UTC AEROSPACE SYSTEMS(航空宇宙システム事業)

■航空宇宙産業
ハミルトン・サンドストランド (Hamilton Sundstrand)
 ―商業・軍事・政府等に航空宇宙システムの設計・製造を行う。
 ―1999年にサンドストランド(Sundstrand) を40億ドルで買収。
 ―アポロ11号の宇宙服に採用、スペースシャトル・コロンビアに宇宙服・環境制御システムが採用されるなどの歴史ある実績。

■航空部品
グッドリッチ
 ―タイヤ等航空部品製造大手(着陸装置世界最大手)
 ―UTCが2011年に165億ドルで買収

プラット・アンド・ホイットニー(航空機エンジン等)

航空機のエンジン
プラット・アンド・ホイットニーPratt & Whitney
 ―1925年創業のP&Wは主力事業である航空機用エンジンと、それ以外にもロケットエンジン、船舶用・鉄道用エンジン等も製造している。世界最速のジェット機のエンジンを製造するなどP&Wの航空用ジェットエンジン事業は、GEの航空機エンジン部門であるGEアビエーション、ロールス・ロイスPLCとP&Wがビッグ3(世界3大メーカー)であり、P&Wはほぼすべての有力プレーヤーにエンジンを供給している。

プラット・アンド・ホイットニー・カナダ
 ―Pratt & Whitney CanadaはP&Wの関連会社として小型飛行機用エンジンの設計・製造、アフターケアを提供している。

ユナイテッド・テクノロジーズの業績推移グラフ

航空機エンジン事業の競合

ゼネラル・エレクトリック(GE)
 ―General Electric(GE-Aviation)
 ―小会社のGEアビエーションが航空機エンジン製造
ロールス・ロイス・ホールディングス
 ―Rolls-Royce Holdings
 ―イギリスの航空用エンジン製造会社
 ―防衛航空宇宙、艦船、発電等も

エレベータ事業の競合

シンドラーグループ
 ―The Schindler Group
 ―スイスのエレベータ・エスカレータメーカー
ティッセンクルップ
 ―ThyssenKrupp
 ―エレベーター欧州最大シェア
 ―ドイツの鉄鋼・工業製品メーカー

ヘリコプター事業の競合

ボーイング(BA)
 ―子会社ボーイング・ヘリコプターズ
 ―Boeing Helicopters
エアバス・グループ
 ―子会社エアバス・ヘリコプターズ
 ―Airbus Helicopters
ベル・ヘリコプター
 ―Bell Helicopter Textron
 ―米テキストロン子会社
アグスタウェストランド
 ―Agusta Westland NV
 ―イタリアのフィンメカニカ(Finmeccanica)子会社

その他の競合

ハネウェル・インターナショナル(HON)
 ―Honeywell International
 ―航空用エンジン、航空宇宙、空調、防火・セキュリティなどの事業でUTCと競合する

ダイキン工業
 ―空調事業でシェアを競う

UTXとHONとGEの参考株価比較(1年)
United Technologies: http://www.utc.com/

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みんなの投資分析とコメント

  1. 匿名投資家 より:

    事業ポートフォリオ再編補足します。

    2011年:
    ポンプとエア・コンプレッサ製造事業(ミルトン・ロイ、サルエアーとサンダイン)をカーライル・グループらに約35億ドルで売却しました。これらは収益が十分に出ていたのですがグッドリッチ買収費用にあてるために天秤にかけた結果ですね。

    2012年:
    燃料電池部門をクリアエッジ・パワーに売却。非中核部門として。

    2012年:
    P&Wの航空機エンジン転用型の中小型ガスタービン事業ユニットPratt & Whitney Power Systemsを三菱重工業に売却。なお、P&Wと三菱重工はMRJ(三菱リージョナルジェット)に搭載する新型ジェットエンジンの共同開発(三菱重工航空エンジン)などを通じて協力関係にあります。

    現在は記事にあるようにシコルスキー(ヘリコプター事業)の売却あるいはスピンオフとグレッグ・ヘイズ新CEOが方向性を明らかにしています。ヘリ部門は苦戦が続いていましたが、前CEOから愛着をもたれていた部門でしたね。ブランド力はありますし高値で買い手が現れるといいのですが。

  2. 匿名投資家 より:

    UTC 2014年10-12月期 Q4決算 航空宇宙部門好調

    純利益: 1株当たり1.62ドル
    前年同期: 1.58ドル
    市場予想: 1.62ドル

    売上高: 170億ドル
    前年同期比: 1.4%増
    市場予想: 171億3000万ドル

    2015年通期売上高予想: 650~660億ドルに下方修正
    同社従来予想: 660~670億ドル
    市場予想: 670億2000万ドル

    2015年通期1株利益予想: 6.85~7.05ドルに下方修正
    同社従来予想: 7.00~7.20ドル
    市場予想: 7.19ドル

    引き下げ理由: ドル高差損
    海外売上高比率: 約62%

    2015年の自社株買いの規模を20億ドル→30億ドルに拡大する意向

    配当金を8.5%引き上げて0.64ドル(21年連続増配)

  3. 匿名投資家 より:

    UTX寄りで買いました。
    安すぎでしょう。過去の推移みても安定した売上ですし
    ジェットエンジンなど米国の国策としても必須かつ
    新興国が簡単に真似できない信頼の蓄積も必要な高度なテクノロジーでは?
    テクニカル的にもサポートラインでこらえていますから割ったら残念ですが
    配当も魅力的な水準だと思います。

    切り離したシコルスキーは利益の微々たる影響しかありませんし
    お荷物をきりはなすことができたのですからむしろプラスかと。

  4. 匿名投資家 より:

    UTXは200日移動平均線を割ってしまったのでテクニカル的な投げも出て必要以上に下げたと思います。
    ただ、長期チャートを見るとこの辺でいったん止まってもいい頃合いだと見ますがどうでしょうか?

    シコルスキーをロッキード・マーティン(LMT)に売却した資金で
    買収交渉も進行しはじめています。

    ホームセキュリティ・空調換気のNortek(NTK)の買収交渉がすすんでいるようです。
    これはUTCの同セキュリティ事業を補完するでしょう。

    中国の売上比率も高くはなく売上のほとんど85%程度が北米欧州ですが
    それでも懸念点はオーチス事業が中国の減速の影響をどの程度うけるかということでしょうね。

  5. 匿名投資家 より:

    中国の不動産バブルは住居も商業施設も飽和しているとしたら
    オーチスの減速はモロにうけるのでは?
    実際前回の決算でUTCはオーチスのガイドラインをカットしてますし。

    わざわざ落ちるナイフをつかまず、様子見でいいと思います。

  6. 匿名投資家 より:

    ジム・クレイマーは今日、UTXはもう十分ネガティブ判断されつくしたしホールドでいいよと言ってますね。

    配当利回りや業績が比較的予想通り推移することからなかなか底堅い株価の動きを期待します。

  7. 匿名投資家 より:

    いやーUTXの株価やばいですね。ここでダブルボトムつけなかったらヤバイ。

  8. 匿名投資家 より:

    ユナイテッド・テクノロジーズの決算でましたね。うーん…新しい120億ドルもの自社株買い発表で上がるパターンなのかな。

    UTX Q3
    事業再編費用等除く調整後EPS: $1.67
    市場予想 $1.55

    売上高: $13.79B (前年比-5.6%)
    市場予想 $14.66BN

    セグメント別売上高:
    オーチス +2%
    空調システム&セキュリティ -2%
    プラット・アンド・ホイットニー +8%
    航空宇宙システム +1%

    シコルスキーを売却した資金も自社株買いの原資に含まれる。

  9. 匿名投資家 より:

    MRJ飛行試験成功おめでとうございます。

    三菱航空機が開発した次世代リージョナル旅客機「MRJ」に搭載するジェットエンジンはUTCのプラット・アンド・ホイットニー(P&W)製ですよ。

    ユナイテッド・テクノロジーズのジェット部門P&Wの最新鋭エンジンPure Power PW1000GシリーズはMRJ用に開発されたもので燃費がよく、騒音も少ないです。なかなか飛行試験が遅延続きでしたがホッとしています。

    大型受注がこれからすすんでいけばUTCにもプラスですね。

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